心電図(別冊No. 4)を別に示す。 考えられるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
心電図上、正常なQRS波の前に、幅広いQRS波(通常0.12秒以上)が早期に出現し、その後代償性休止期を伴っています。これは心室の異所性興奮が原因で、心室期外収縮の典型的な所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 心房細動はP波が消失し、基線が不規則なf波(細動波)で置き換わり、R-R間隔が完全に不規則になることが特徴です。問題の心電図にはこれらの所見はありません。正しくは:P波消失、f波(細動波)出現、R-R間隔の絶対的不規則。選びやすい理由:不整脈全般に対する知識が曖昧な場合、一般的な不整脈として選択してしまう可能性があります。混同注意:心房粗動、多源性心室期外収縮(不規則な脈のため)
- 2. 心房粗動はP波の代わりに規則的なF波(粗動波、のこぎり歯状)が認められ、QRS波は通常狭く、R-R間隔は規則的または2:1、3:1などのブロック比で不規則になります。問題の心電図とは異なります。正しくは:P波の代わりにF波(のこぎり歯状)出現、QRS波は通常正常、R-R間隔は規則的または一定の比率で不規則。選びやすい理由:心房性の不整脈として、心房細動と併せて混同しやすいです。混同注意:心房細動、上室性頻拍
- 3. 房室ブロックはP波とQRS波の関係異常を特徴とします。Ⅰ度ではP-Q間隔延長、Ⅱ度Wenckebach型ではP-Q間隔が徐々に延長しQRS波が脱落、Ⅱ度MobitzII型ではP-Q間隔が一定でQRS波が突然脱落、Ⅲ度ではP波とQRS波が全く無関係になります。問題の心電図はブロックの所見ではありません。正しくは:P波とQRS波の関連性に着目し、P-Q間隔の延長、QRS波の脱落、P波とQRS波の解離などを確認する。選びやすい理由:徐脈性不整脈の一種として、幅広く「不整脈」と捉えて選択してしまう可能性があります。混同注意:洞不全症候群、徐脈性心房細動
- 4. 心室細動は、P波、QRS波、T波が全く判別できなくなり、基線が不規則な波状(細動波)を呈し、心臓のポンプ機能が完全に失われた状態です。問題の心電図では個々の波形がある程度保たれており、心室細動の所見とは異なります。正しくは:P波、QRS波、T波が判別不能となり、不規則な波状の細動波が認められる。選びやすい理由:心室起源の重篤な不整脈として、漠然とした知識で選択してしまう可能性があります。混同注意:心室頻拍、心静止
- 5. 正解。心電図で正常なQRS波の後に、幅広いQRS波(0.12秒以上)が早期に出現し、そのQRS波に先行するP波が認められず、その後を代償性休止期が続いているのが確認できます。これは心室の異所性興奮によって生じる心室期外収縮の典型的な特徴です。選びやすい理由:心電図を正確に読影できれば、他の選択肢が明らかに異なるため、正答にたどり着きやすいです。混同注意:心房期外収縮、上室性期外収縮の脚ブロック合併
国試ポイント
心電図の基本的な波形と不整脈の特徴を理解し、典型的な心電図所見から不整脈の種類を鑑別できることが重要です。
混同注意
心室期外収縮は心房期外収縮と混同しやすいですが、心房期外収縮はP波の変形や早期出現を伴いQRS波は正常であることが多いです。また、心室細動や心室頻拍とは異なり、単発で出現し、心拍のリズム全体が著しく乱れるわけではありません。
次に同じ論点が出たら
心電図で不整脈の判断をする際は、まずP波の有無と形、P-Q間隔、QRS波の幅と形、R-R間隔の規則性に着目します。特にQRS波の幅が広いかどうかは、心室性不整脈を疑う重要なポイントです。
関連知識
心室期外収縮の重症度分類(Lown分類)や、治療方針(症状の有無、基礎心疾患の有無による)についても関連知識として覚えておくと良いでしょう。また、多源性心室期外収縮やR on T現象など、重症化のリスクについても理解が必要です。