荷重応答期で遠心性収縮するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
荷重応答期では、足が接地した際に生じる衝撃を吸収し、下腿が前方へ過度に倒れ込むのを防ぐため、足関節背屈筋群が遠心性収縮を行います。具体的には、前脛骨筋や長指伸筋、長母指伸筋などがこの役割を担います。これらの筋は、急激な足関節底屈に対してブレーキをかけるように働き、足関節の安定性を保ちます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。荷重応答期では、足部が急激に底屈するのを制御し、足関節の安定性を保つために遠心性収縮を行います。この筋肉は足関節の背屈に作用するため、底屈方向への動きに対してブレーキをかける形で働きます。選びやすい理由:足関節背屈筋群の遠心性収縮は、歩行初期の足関節の動きを制御するために非常に重要です。この知識があれば選択しやすいでしょう。混同注意:他の底屈筋や足内在筋との機能的な違いを混同しやすいです。
- 2. 正解。荷重応答期において、足関節の急激な底屈を制御し、下腿が前方へ倒れ込むのを防ぐため、遠心性収縮を行います。この筋は足関節の背屈筋であり、接地後のショックを吸収し、足が床に「パタン」と落ちるのを防ぐ役割(フットドロップの制御)を担います。選びやすい理由:荷重応答期における前脛骨筋の遠心性収縮は歩行分析の基本であり、多くの学生が理解しているため、選びやすい選択肢です。混同注意:この時期の筋活動が求心性なのか遠心性なのか、他の相との違いを混同しやすいです。
- 3. 短腓骨筋は主に足関節の底屈と外がえしに関与します。荷重応答期では、この筋は主に求心性収縮または等尺性収縮で働くか、活動が小さいことが多いです。遠心性収縮の主要な役割は持ちません。正しくは:短腓骨筋は、立脚相の中期から後期にかけて、足関節の安定化や外がえし補助の役割を果たし、この時期に遠心性収縮することは稀です。主に求心性収縮で働くことが多いです。選びやすい理由:腓骨筋群が足関節の安定に関与することは事実ですが、荷重応答期における主要な遠心性収縮筋としては一般的ではありません。混同注意:足関節の他の筋群(特に底屈筋や内がえし筋)との機能的な区別を混同しやすいです。
- 4. ヒラメ筋は主要な足関節底屈筋です。荷重応答期では、この筋は主に求心性収縮により、下腿の前方への推進を補助する役割を果たします。遠心性収縮ではなく、主に体重を支え、推進力を生み出すために働きます。正しくは:ヒラメ筋は、荷重応答期から立脚中期にかけて、主に求心性収縮により下腿の前方移動を制御し、立脚後期には推進力を生み出すために働きます。選びやすい理由:ヒラメ筋が歩行において重要な役割を果たすことは知られているため、活動があると考えるかもしれませんが、この時期の収縮様式が問われています。混同注意:他の底屈筋(腓腹筋など)との活動時期や収縮様式の違いを混同しやすいです。
- 5. 長母指屈筋は母指の屈曲と足関節の底屈に作用します。荷重応答期において、この筋は主に求心性収縮によって足底のアーチを維持したり、指の安定性に関与したりしますが、足関節の急激な底屈を制御するような遠心性収縮の主要な役割は持ちません。正しくは:長母指屈筋は、立脚相の大部分で足部内在筋として足底アーチの支持に関与し、立脚後期には推進力の一部を生み出す求心性収縮をします。選びやすい理由:足底の安定性に関与するため、活動があると考えやすいですが、問われているのは「遠心性収縮」です。混同注意:足底の他の屈筋群や、足内在筋との機能的な区別を混同しやすいです。
国試ポイント
歩行周期における各相の主要な筋活動と、その収縮様式(求心性、遠心性、等尺性)を理解しているかが問われる。特に荷重応答期における足関節の制御機構は頻出論点である。複数の筋を選択させることで、より深い理解を求めている。
混同注意
各歩行周期のフェーズにおける筋の活動様式(求心性か遠心性か)と、その筋の主たる作用(例:背屈筋、底屈筋)を混同しやすい。また、個々の筋の機能と、歩行という複合的な動作における役割を結びつけて理解できていないと、誤った選択をしてしまう可能性がある。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各関節の代表的な筋群について、歩行周期のどの相で、どのような収縮様式で活動するかを問う形が予想される。特に、膝関節の大腿四頭筋やハムストリングス、股関節の殿筋群などもターゲットになる可能性が高い。
関連知識
歩行周期の各相(立脚相:荷重応答期、立脚中期、立脚終期、前遊脚期;遊脚相:初期遊脚期、中期遊脚期、終期遊脚期)における関節運動、筋活動、およびそれぞれの筋の収縮様式。特に、股関節、膝関節、足関節の主要な筋群の働きを理解することが重要である。