膝関節で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
内側半月板は内側側副靭帯の深層繊維と強く結合しており、この解剖学的特徴は、内側側副靭帯損傷と内側半月板損傷が同時に発生しやすい原因の一つです。これは膝関節の安定性に関する重要な知識です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。内側半月板は膝関節の内側安定化に重要な役割を果たし、内側側副靭帯の深層繊維と結合しているため、両者は一体として機能します。この結合により、内側半月板は外傷時に内側側副靭帯損傷と同時に損傷しやすい特徴があります。
- 2. 膝関節の動きは転がり運動と滑り運動の組み合わせですが、屈曲角度が増すにつれて、大腿骨顆部が脛骨高位から逸脱するのを防ぐため、滑り運動の割合が転がり運動よりも増えます。特に最終屈曲域ではほとんどが滑り運動になります。正しくは:膝の屈曲角度が大きくなるにつれて、滑り運動の割合が転がり運動よりも増加します。選びやすい理由:膝の運動は常に転がりと滑りの組み合わせであり、運動の初期段階では転がり運動が優位であるため、屈曲が進むにつれて転がり運動も増え続けると誤解しやすいかもしれません。混同注意:初期屈曲(0-25度程度)での転がり運動の優位性と、それ以降の滑り運動の優位性との混同。
- 3. 大腿筋膜張筋は腸脛靭帯を介して脛骨に付着しており、膝関節伸展作用と外転・内旋作用を持ちますが、これは主に膝伸展位または軽度屈曲位での作用です。膝屈曲位では、その作用は膝の伸展にはほとんど寄与しません。むしろ、腸脛靭帯の走行から膝関節の外側安定化に寄与します。正しくは:大腿筋膜張筋は、膝伸展に作用します(主に膝伸展位または軽度屈曲位で)。選びやすい理由:大腿筋膜張筋が膝伸展筋群の一部であることは事実ですが、「屈曲位で」という条件が誤りである点を見落としやすいです。腸脛靭帯が膝関節をまたぐため、伸展作用があることは理解しやすいですが、特定の角度での作用まで正確に覚えていないと間違えやすいです。混同注意:大腿筋膜張筋の主要な作用(股関節の屈曲・外転・内旋、膝関節の伸展)と、その作用が発揮される膝関節の角度条件との混同。
- 4. 内側側副靭帯(MCL)は扇状に広がる幅広い靭帯で、深層繊維は内側半月板とも結合しています。一方、外側側副靭帯(LCL)は丸くて細い索状の靭帯です。正しくは:内側側副靭帯の幅は、外側側副靭帯に比べ広いです。選びやすい理由:靭帯の機能的役割や強度と幅が必ずしも一致しないという誤解、あるいは単純な解剖学的形状の記憶違い。混同注意:内側側副靭帯と外側側副靭帯の形状(幅広のMCL、索状のLCL)に関する解剖学的知識の混同。
- 5. 大腿二頭筋はハムストリングスの一部で、膝関節の屈曲と外旋に作用します。膝関節の内旋に作用する主な筋肉は、半腱様筋、半膜様筋、薄筋、縫工筋、膝窩筋などです。正しくは:膝関節の外旋に作用する筋は大腿二頭筋である。または、膝関節内旋に作用する筋は半腱様筋や半膜様筋などである。選びやすい理由:ハムストリングスの一部である大腿二頭筋が膝の屈曲筋群であることは誰もが知っていますが、内旋と外旋の細かい違いを覚えていないと間違えやすいです。大腿二頭筋と半腱様筋・半膜様筋が同じハムストリングスの一部であるため、作用を混同しやすい傾向があります。混同注意:ハムストリングスの各筋(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)の膝関節における回旋作用(大腿二頭筋は外旋、半腱様筋・半膜様筋は内旋)の混同。
国試ポイント
膝関節の解剖学的構造と各部位の機能、特に靭帯と半月板の関係性、および筋の作用(関節運動と関与する筋)が問われています。単なる暗記だけでなく、それぞれの部位がどのように連動して機能するかを理解しているかが重要です。
混同注意
膝関節の転がり・滑り運動の割合変化、大腿筋膜張筋の作用角度、内外側側副靭帯の形態、ハムストリングス各筋の回旋作用など、細部の正確な知識が求められます。特に、類似する機能を持つ構造や同じ部位に位置する筋の作用は混同されやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、膝関節のバイオメカニクス(運動学)や各構造の臨床的意義(例:損傷メカニズム)まで問われる可能性があります。また、股関節や足関節など他の主要関節についても、同様の深い解剖・運動学的知識が求められると予測されます。
関連知識
膝関節のKnee-in現象(内側側副靭帯損傷、内側半月板損傷、前十字靭帯損傷の複合損傷)や、スクリューホームムーブメントにおける転がり・滑り運動の変化、ハムストリングスの筋電図学的分析とその役割なども関連知識として挙げられます。