PTB式下腿義足のソケットにおける荷重部位で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
PTB式下腿義足のソケットは、膝蓋腱、脛骨前内側面、腓骨頭、そして後方の膝窩部といった、比較的皮下組織が厚く、広範な面積で荷重を分散できる部位を主要な荷重負担部として設計されます。これにより、断端の末端部や骨が突出している脆弱な部位への集中荷重を避けることができます。特に脛骨前内側面は、広範な面積で荷重を受け止められるため、重要な荷重部位となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 脛骨稜は骨が突出しており、皮下組織も薄いため、圧迫に非常に弱いです。この部位に荷重をかけると、疼痛や皮膚損傷のリスクが高まります。正しくは:脛骨稜は、PTB式ソケットでは避圧部として設計され、荷重を避けるべき部位です。選びやすい理由:脛骨自体が下腿の主要な骨であるため、その一部である脛骨稜も荷重に関わると思ってしまうかもしれません。混同注意:脛骨の前内側面など、他の脛骨の部位と混同しやすいですが、脛骨稜は特に脆弱な部位です。
- 2. 脛骨粗面は膝蓋腱の付着部ですが、骨の隆起があり、この部位に直接主要な荷重をかけると疼痛が生じやすいです。PTB式ソケットの名称にある「膝蓋腱荷重(Patellar Tendon Bearing)」は、膝蓋腱そのものへの荷重ではなく、膝蓋腱の下にある脂肪体や、その周辺の軟部組織を介して広範な荷重分散を図ることを意味します。正しくは:脛骨粗面は、避圧されるか、または軽く接触する程度にとどめるべき部位です。選びやすい理由:「膝蓋腱荷重」という名称から、膝蓋腱の付着部である脛骨粗面が直接的な荷重部位であると誤解しやすいです。混同注意:膝蓋腱そのものへの荷重と、膝蓋腱が付着する脛骨粗面への荷重を混同しやすいです。
- 3. PTB式義足は、断端の遠位端に荷重をかけるのではなく、断端の近位部から中央部の広範囲な面積で荷重を分散することを基本としています。脛骨の末端は骨が皮膚に近接しており、脆弱で、集中した荷重には不向きです。正しくは:脛骨末端を含む断端遠位部は、一般的に免荷(荷重をかけない)されるようにソケットが設計されます。選びやすい理由:断端全体で荷重を支えるイメージから、骨の末端部分も荷重部位だと考えてしまうかもしれません。混同注意:断端の遠位端にも荷重をかけるKBM式義足など、他の種類の義足と混同しやすいです。
- 4. 正解。脛骨前内側面は、皮下組織が比較的厚く、骨とソケットの接触面積を広く確保できるため、PTB式下腿義足の主要な荷重負担部位の一つとして非常に適しています。この部位で荷重を分散することで、断端への負担を軽減します。
- 5. 脛骨顆部、特に隆起している部分は、骨が突出しており、皮膚が薄い上に、腓骨神経などの神経血管束が走行していることがあります。この部位に主要な荷重をかけると、疼痛、神経麻痺、皮膚潰瘍などの問題が生じやすいため不適切です。正しくは:脛骨顆部隆起部は、避圧部としてソケットが設計され、荷重をかけるべきではありません。選びやすい理由:断端の近位部で荷重を支えるという考え方から、脛骨の近位にある顆部も荷重部位だと誤解する可能性があります。混同注意:PTBソケットの主要荷重部位である膝蓋腱(Patellar Tendon)と、脛骨顆部を混同する可能性は低いですが、近位部の荷重部位であるという点で他の近位構造と誤認する可能性はあります。
国試ポイント
PTB式下腿義足のソケットにおける主要な荷重部位と避圧部位を正確に理解しているかを問う、基本的な問題です。各部位の解剖学的特徴と、義足の設計思想(荷重分散の原則)を結びつけて覚えることが重要となります。
混同注意
「膝蓋腱荷重(PTB)」という名称から、膝蓋腱そのものやその付着部である脛骨粗面に直接荷重がかかると誤解しやすい点があります。また、断端の遠位端に荷重をかける義足(例:KBM式)と混同し、PTB式でも末端荷重が起こると誤解する可能性がありますが、PTB式は末端免荷が基本です。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題される場合、PTB式義足の『避圧部位』や、他の義足の種類(例:KBM式)における『主な荷重部位』が問われる可能性があります。また、ソケットの適合不良による問題点(例:特定の部位の痛み、皮膚損傷)や、ソケットのデザイン変更による荷重分散の変化についても理解しておく必要があります。
関連知識
PTB式下腿義足の主な荷重部位としては、膝蓋腱、脛骨前内側面、腓骨頭、膝窩部(後方)が挙げられます。避圧部位としては、脛骨稜、脛骨粗面、脛骨末端、腓骨神経の走行部、断端骨端部などがあります。これらの知識は、ソケットの適合評価や、患者の訴える痛みの原因特定にも繋がります。