開放式吸引での気管吸引で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
気管吸引の吸引圧は、気道粘膜への損傷を避けるため、適切な範囲に設定することが重要です。成人では一般的に100〜150mmHgが推奨されており、この範囲内で効果的に分泌物を除去しつつ、合併症のリスクを低減します。
選択肢ごとの解説
- 1. 吸引は患者に苦痛や低酸素血症を引き起こす可能性があるため、1回の吸引時間は通常10〜15秒以内にとどめるべきです。30秒は長すぎます。正しくは:1回の吸引時間は10〜15秒以内とする。選びやすい理由:時間が短いと吸引が不十分になるのではと考えるかもしれませんが、安全性が最優先されます。混同注意:吸引の必要性と患者の安全性のバランスを見誤ることがあります。
- 2. 正解。気管吸引の適切な吸引圧は、成人で100〜150mmHgが推奨されています。これは気道粘膜への損傷を最小限に抑えつつ、効果的に分泌物を除去するための範囲です。選びやすい理由:より高い圧の方が効果的と考えるかもしれませんが、粘膜損傷のリスクが高まります。混同注意:吸引効果と吸引圧の関係性を混同し、不必要に高い圧を選択してしまうことがあります。
- 3. 吸引カテーテルを気管分岐部の奥深くまで挿入すると、気管支粘膜を損傷したり、刺激による気管支痙攣や無気肺を引き起こしたりするリスクがあります。気管分岐部に到達する手前でとどめるか、挿入距離に注意を払うべきです。正しくは:吸引カテーテルは、気管分岐部に到達する手前で留めるか、患者の気管長を考慮した適切な深さに挿入する。選びやすい理由:分泌物が奥にある場合、より深く挿入した方が取れると考えるかもしれません。混同注意:分泌物の除去効果と挿入深度の関係性を誤解し、過度に深く挿入してしまうことがあります。
- 4. 吸引操作中は一時的にSpO2が低下することがありますが、80〜90%は低酸素状態を示し、危険です。通常、SpO2は95%以上を維持することが望ましく、吸引中も90%を下回らないように細心の注意を払うべきです。正しくは:吸引操作中もSpO2が90%を下回らないように注意し、可能であれば95%以上を維持する。選びやすい理由:吸引による一時的な低下を許容範囲と誤解しやすいですが、低酸素の危険性は高いです。混同注意:一時的なSpO2低下の許容範囲と、低酸素血症の閾値を混同することがあります。
- 5. 吸引操作中にカテーテルを上下左右に激しく動かすと、気管粘膜を損傷するリスクが高まります。カテーテルはゆっくりと引き抜きながら回転させるのが一般的です。これにより、粘膜を広範囲に吸引しつつ、損傷を最小限に抑えます。正しくは:吸引操作中は、カテーテルをゆっくりと引き抜きながら回転させる。選びやすい理由:効率的に分泌物を除去するためには動かした方が良いと考えるかもしれませんが、粘膜損傷のリスクが伴います。混同注意:分泌物除去の効率性と、粘膜損傷のリスクのバランスを誤解することがあります。
国試ポイント
この問題は、気管吸引における基本的な手技と安全管理に関する知識を問うものです。特に吸引時間、吸引圧、カテーテル挿入深度、SpO2管理、吸引中のカテーテル操作といった、実践で重要な要素が頻繁に出題されます。患者の安全を最優先するという視点から、各選択肢の適切性を判断する能力が求められます。
混同注意
吸引時間と吸引圧、カテーテル挿入深度は、どれも患者の安全に直結する要素であり、それぞれ許容範囲が異なります。特に「より効果的に」という視点から、安全性を軽視した選択肢を選んでしまう可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、気管吸引の「安全性」と「効果性」のバランス、特に『患者の身体への負担を最小限にするための具体的な数値や操作方法』が問われる可能性が高いです。例えば、小児や乳児の吸引圧、閉鎖式吸引の利点、吸引カテーテルの太さの選択基準などもチェックしておくと良いでしょう。
関連知識
気管吸引の適応、禁忌、合併症(低酸素血症、不整脈、気道損傷、感染など)、準備物品、手技の実際(手洗い、PPE、無菌操作、前酸素化など)、吸引後の評価。