第4腰椎変性すべり症の症候として誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
腰椎変性すべり症は、主に馬尾神経や神経根の圧迫による末梢神経症状を引き起こします。痙性歩行は、脳や脊髄といった中枢神経系の上位運動ニューロンの障害で生じる歩行パターンであり、腰椎変性すべり症の直接的な病態とは異なります。間欠性跛行、下肢痛、膀胱直腸障害(頻尿を含む)、会陰部の感覚異常は、腰椎変性すべり症でよく見られる末梢神経性の症状です。
選択肢ごとの解説
- 1. 腰椎変性すべり症は馬尾神経を圧迫し、膀胱直腸障害(頻尿、排尿困難、便秘など)を引き起こす可能性があります。したがって、頻尿は関連する症状です。正しくは:頻尿は腰椎変性すべり症で起こりうる症状である。選びやすい理由:泌尿器系の問題と捉え、整形外科疾患と直接結びつかないと感じるかもしれない。混同注意:他の神経根症状や間欠性跛行など、より一般的な症状に目が行きがちである。
- 2. 神経根の圧迫により、圧迫されている神経の支配領域に沿って下肢に痛みが生じることがよくあります。これは典型的な症状です。正しくは:下肢の痛みは腰椎変性すべり症でよく見られる症状である。選びやすい理由:腰椎疾患の代表的な症状であるため、正しいと判断しやすい。混同注意:坐骨神経痛など、他の腰椎疾患による下肢痛と症状としては類似している。
- 3. 正解。腰椎変性すべり症による神経障害は、主に末梢神経(馬尾神経や神経根)の圧迫によるもので、下肢の筋力低下や感覚障害、間欠性跛行などが特徴です。痙性歩行は中枢神経系の障害(上位運動ニューロン障害)によって引き起こされるものであり、腰椎変性すべり症の直接的な症候としては稀です。正しくは:痙性歩行は腰椎変性すべり症の直接的な症候としては適切ではない。選びやすい理由:重度の神経症状として、なんとなく歩行障害全般を連想し、選びそうになる。混同注意:間欠性跛行(末梢神経障害)と痙性歩行(中枢神経障害)を混同しやすい。また、脊髄損傷や脳卒中など、上位運動ニューロン障害による歩行障害と誤解しやすい。
- 4. 腰椎変性すべり症では、脊柱管狭窄を伴うことが多く、これは馬尾神経や神経根の血流障害を引き起こし、歩行によって症状が悪化し、休息によって軽減する間欠性跛行を典型的に引き起こします。正しくは:間欠性跛行は腰椎変性すべり症の典型的な症状である。選びやすい理由:腰部脊柱管狭窄症の主要な症状であり、腰椎変性すべり症と関連が深いため、正しいと判断しやすい。混同注意:血管性間欠性跛行と神経性間欠性跛行の違いを理解していないと混乱する可能性がある。
- 5. 馬尾神経障害の一部として、会陰部の感覚障害(しびれ、異常感覚、熱感、冷感など)が生じることがあります。これは膀胱直腸障害と並んで、重度の馬尾症候群のサインです。正しくは:会陰部の熱感は腰椎変性すべり症で起こりうる症状である。選びやすい理由:神経系の異常感覚として、正しいと判断しやすい。混同注意:漠然とした感覚異常として、他の感覚障害と区別しにくい。
国試ポイント
腰椎変性すべり症や腰部脊柱管狭窄症といった下位腰椎の疾患における、末梢神経障害と中枢神経障害の鑑別能力が問われています。特に、痙性歩行が上位運動ニューロン障害の症状であることを理解しているかが重要です。
混同注意
神経性間欠性跛行と血管性間欠性跛行、末梢神経障害による症状(筋力低下、感覚障害、膀胱直腸障害)と中枢神経障害による症状(痙性、病的反射、錐体路症状)の違い。特に、歩行障害の種類とそれが示唆する病変部位。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず提示された症状が「中枢神経系」由来か「末梢神経系」由来かを判断し、疾患の病態(ここでは腰椎の圧迫による末梢神経障害)と合致するかを検討する。
関連知識
腰椎変性すべり症の病態生理、馬尾症候群の症状、上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害の鑑別、各種歩行障害の種類と原因(痙性歩行、失調性歩行、間欠性跛行など)。