胃癌について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
胃がんの病理組織学的な分類において、最も頻度が高いのは腺癌です。これは世界の多くの地域で共通する知見であり、日本においても同様です。他の選択肢は、胃がんの好発部位、主な治療法、日本における発症率・死亡率の現状に関して誤った記述を含んでいます。
選択肢ごとの解説
- 1. 胃がんの好発部位は、幽門前庭部から小弯にかけてが最も一般的であり、噴門部に限定されません。噴門部は食道胃接合部に近く、比較的頻度は低いとされています。正しくは:胃がんの好発部位は幽門前庭部から小弯にかけてです。選びやすい理由:食道がんや胃食道逆流症との関連で噴門部という言葉に馴染みがあるため、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:噴門部が胃の一部であることは事実ですが、最も好発する部位ではありません。食道がんとの部位の混同も考えられます。
- 2. 胃がんに対する放射線療法は、外科手術や化学療法と比較して主要な治療法ではありません。術後補助療法や姑息的治療として用いられることはありますが、単独で根治を目的とした第一選択とはなりません。正しくは:胃がんの主な治療法は外科手術であり、化学療法も併用されます。放射線療法は限定的な役割を持ちます。選びやすい理由:多くのがん治療で放射線療法が用いられるため、胃がんにも有効だと考えてしまう可能性があります。混同注意:放射線療法は肺がんや頭頸部がんなど、他のがん種では主要な治療法となるため、その知識と混同する可能性があります。
- 3. 正解。胃がんのほとんど(90%以上)は腺癌であり、これは世界的に共通した病理組織学的特徴です。消化管に発生する癌の多くが腺癌であるという一般的な傾向に合致します。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:他の組織型もあるため、絶対的なものとして捉えにくいと感じるかもしれませんが、統計的には圧倒的に腺癌が最多です。混同注意:スキルス胃がん(印環細胞癌を含む)なども胃がんの組織型として知られていますが、これらも腺癌の一種として分類されることが多いです。
- 4. 日本では衛生環境の改善や食生活の変化、ヘリコバクター・ピロリ菌感染者の減少などにより、胃がんの発症率は減少傾向にあります。正しくは:日本における胃がんの発症率は年々減少傾向にあります。選びやすい理由:高齢化社会であることや、がん全体の罹患率が増加している印象があるため、誤って増加と判断してしまう可能性があります。混同注意:胃がんの死亡率は減少傾向にありますが、発症率も同様に減少しています。また、大腸がんや膵臓がんなど、他の消化器系がんの発症率が増加していることと混同しやすいです。
- 5. 日本の悪性腫瘍による死因の第一位は肺がんであり、胃がんは近年減少傾向にあり、順位も下がっています。正しくは:日本人の悪性腫瘍による死因の第一位は肺がんであり、胃がんはその後に続きます。選びやすい理由:かつては胃がんが死亡原因の第一位だった時期があるため、その古い知識で誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:過去の統計データや、他の国での状況と混同しやすいです。また、胃がんは罹患率こそ高いものの、早期発見・治療の進歩により死亡率は低下しています。
国試ポイント
胃がんに関する基本的な疫学、病理学的特徴、治療の原則が問われています。特に、過去の常識と現在の統計データとの違いを理解しているかが試されるポイントです。
混同注意
胃がんの発症率と死亡率のトレンド(過去の第一位から現在の減少傾向)、他の消化器がん(大腸がん、膵臓がん)のトレンド、主要な治療法(手術、化学療法、放射線療法)の適用範囲。
次に同じ論点が出たら
今後、胃がんに関する問題が出題される場合、早期胃がんや進行胃がんの病理学的特徴、リンパ節転移の経路、治療選択肢の具体的な内容(内視鏡治療、手術術式、抗がん剤の種類)、予防策(ピロリ菌除菌)などが問われる可能性があります。
関連知識
日本における主要な悪性腫瘍の罹患率・死亡率の現状(肺がん、大腸がん、胃がん、膵臓がん、肝がんなど)、ヘリコバクター・ピロリ菌感染と胃がんの関係、胃がんの病期分類(ステージ)、スクリーニング検査の重要性。