上腕骨骨幹部骨折で最も合併しやすい神経障害はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
上腕骨骨幹部、特に中下1/3の境界部は、橈骨神経が上腕骨の橈骨神経溝(螺旋溝)を密着して走行しているため、この部位での骨折は橈骨神経損傷のリスクが非常に高くなります。橈骨神経損傷は、下垂手や手関節・手指の伸展障害を引き起こします。
選択肢ごとの解説
- 1. 腋窩神経は上腕骨外科頸骨折で損傷しやすい神経であり、上腕骨骨幹部骨折では稀です。正しくは:上腕骨外科頸骨折で損傷しやすいのは腋窩神経である。選びやすい理由:上腕骨の近位部に近い神経であるため、関連を想像しやすいかもしれません。混同注意:上腕骨外科頸骨折と骨幹部骨折での神経損傷の違いを混同しやすい。
- 2. 筋皮神経は上腕骨骨幹部骨折で損傷することは非常に稀です。主に上腕二頭筋、上腕筋を支配します。正しくは:筋皮神経は上腕骨骨幹部骨折では通常損傷しない。選びやすい理由:上腕を走行する神経であるため、可能性として考えてしまうかもしれません。混同注意:各神経の走行部位と、その部位の骨折との関連性を混同しやすい。
- 3. 尺骨神経は上腕骨顆上骨折や内側上顆骨折、または肘関節周辺の骨折で損傷しやすい神経です。上腕骨骨幹部骨折では稀です。正しくは:尺骨神経は主に上腕骨顆上骨折や肘関節周辺の骨折で損傷しやすい。選びやすい理由:肘周辺の骨折と誤解し、尺骨神経が損傷しやすいと考えるかもしれません。混同注意:上腕骨の骨折部位(骨幹部、顆上部など)と、それに伴う神経損傷の種類を混同しやすい。
- 4. 正中神経は上腕骨顆上骨折で損傷することがありますが、上腕骨骨幹部骨折で損傷することは比較的稀です。正しくは:正中神経は主に上腕骨顆上骨折で損傷しやすい。選びやすい理由:上腕を走行する主要な神経であるため、損傷リスクが高いと考えるかもしれません。混同注意:上腕骨の骨折部位と損傷しやすい神経の組み合わせを正確に覚えていないと混同しやすい。
- 5. 正解。橈骨神経は上腕骨骨幹部の後面を螺旋状に走行しているため、この部位の骨折(特に中下1/3境界部)によって最も高頻度に損傷を受けやすい神経です。
国試ポイント
骨折部位とそれに特徴的な合併症(特に神経損傷)の知識が問われています。上腕骨骨折は部位によって損傷しやすい神経が異なるため、正確な解剖学的知識と臨床的頻度の理解が重要です。
混同注意
上腕骨の異なる部位の骨折と、それぞれの部位で損傷しやすい神経を混同しやすい(例:外科頸骨折と腋窩神経、顆上骨折と正中神経・尺骨神経)。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された場合、まず骨折の部位を正確に特定し、その部位に解剖学的に密接に関連する神経を特定できるかを確認する。神経の走行経路と周囲組織との位置関係をイメージできるかがポイントとなる。
関連知識
上腕骨外科頸骨折と腋窩神経損傷、上腕骨顆上骨折と正中神経または尺骨神経損傷、モンテギア骨折と橈骨神経後骨間枝損傷、下腿骨骨折と腓骨神経損傷など、各骨折と特異的な神経損傷の組み合わせをまとめて学習することが推奨されます。