食道癌で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
食道癌の組織型は、日本を含むアジア地域では圧倒的に扁平上皮癌が多いです。欧米では腺癌の割合が増加傾向にありますが、日本の国家試験においては扁平上皮癌が主流であるという認識が重要です。他の選択肢は、性差、危険因子、好発部位、関連菌種について誤った情報を提供しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 食道癌の発生率は、男性の方が女性よりも高いことが知られています。特に扁平上皮癌の場合、男性に顕著に多く見られます。正しくは:食道癌は男性に多い病気です。選びやすい理由:がんの種類によっては女性に多いものもあるため、知識が曖昧だと誤って選択しやすいかもしれません。混同注意:甲状腺癌や胆嚢癌など、一部のがんは女性に多い傾向があります。食道癌はこれらとは異なります。
- 2. 高血圧は食道癌の直接的な主要危険因子ではありません。食道癌の危険因子としては、喫煙、飲酒、熱い飲食物の摂取、逆流性食道炎(特にバレット食道からの腺癌)などが挙げられます。正しくは:喫煙や飲酒が食道癌の主要な危険因子です。選びやすい理由:高血圧は心血管疾患など多くの生活習慣病の危険因子であるため、広範な疾患のリスク因子として認識していると誤って選びやすいです。混同注意:生活習慣病全般の危険因子と、特定のがんの危険因子が混同されやすいです。高血圧は食道癌とは直接関係が薄いです。
- 3. 食道癌の好発部位は、食道の中部(胸部食道)が最も多く、次いで下部、上部(頸部)の順です。頸部食道は比較的少ないです。正しくは:食道癌の好発部位は胸部食道です。選びやすい理由:食道の部位に関する知識が不確かな場合、どの部位が好発か判断に迷うことがあります。混同注意:食道は長い臓器であるため、部位別の発生率を正確に覚えていないと混乱しやすいです。胸部食道が最も頻度が高いことを理解しておく必要があります。
- 4. 正解。日本を含むアジア諸国では、食道癌の90%以上が扁平上皮癌(平上皮癌)です。欧米では腺癌の割合が増加傾向にありますが、全体としては扁平上皮癌が多いです。正しくは:この記述は正しいです。混同注意:欧米では腺癌が増加しているため、その情報と混同して腺癌を選択してしまう可能性があります。日本では扁平上皮癌が圧倒的に多いことを覚えておく必要があります。
- 5. ヘリコバクター・ピロリ菌は胃癌の発生に深く関与しますが、食道癌(特に扁平上皮癌)との直接的な関連は確立されていません。むしろ、ピロリ菌感染により胃酸分泌が抑制されることが、バレット食道腺癌のリスクを低下させる可能性も指摘されています。正しくは:ヘリコバクター・ピロリ菌は胃癌の発症に関与します。選びやすい理由:ピロリ菌が消化器系のがん(胃癌)の重要な原因であるという知識から、食道癌にも関連があると誤解しやすいです。混同注意:ヘリコバクター・ピロリ菌は胃癌の主要な原因菌であり、消化器系のがんという括りで考えると混同しやすいです。食道癌、特に扁平上皮癌とは直接的な関連は薄いです。
国試ポイント
食道癌に関する基本的な疫学、危険因子、好発部位、組織型、関連疾患についての知識が問われています。特に、日本における食道癌の特徴(扁平上皮癌の多さ)を理解しているかが重要です。
混同注意
胃癌の知識(ピロリ菌、腺癌の多さなど)と食道癌の知識が混同されやすいです。また、欧米での食道腺癌の増加傾向と日本の実情を区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、食道癌に関する問題が出題される場合、バレット食道腺癌(欧米で増加傾向)の危険因子や病態、あるいは食道癌のステージ分類や治療選択肢に関する具体的な知識が問われる可能性があります。また、日本と欧米の食道癌の疫学的・病理学的違いを明確に区別できるかがポイントとなるでしょう。
関連知識
食道癌の危険因子:喫煙、飲酒、熱い飲食物、食道の炎症(逆流性食道炎、バレット食道など)。食道癌の症状:嚥下困難、胸骨後部痛、体重減少など。診断:内視鏡検査、生検、CTなど。治療:手術、放射線療法、化学療法。