肩腱板断裂で陽性となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ドロップアームテストは、肩関節の自動外転が不可能であったり、外転位からのゆっくりとした下垂が困難であったりする場合に陽性と判断され、肩腱板、特に棘上筋の機能不全や断裂を示唆する特異性の高いテストです。肩腱板断裂の診断において重要な臨床所見の一つとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. アドソンテストは胸郭出口症候群(特に斜角筋症候群)を評価するテストであり、肩腱板断裂の評価には用いません。正しくは:胸郭出口症候群の評価に用います。選びやすい理由:肩周辺のテストであるため、関連があるように感じるかもしれませんが、評価する疾患は異なります。混同注意:他の肩関節疾患のテストと混同しやすいです。特に神経症状を伴う疾患と誤解されることがあります。
- 2. 正解。ドロップアームテストは、患者が腕を外転位からゆっくりと下ろす際に、途中で腕を保持できずにガクッと落ちてしまうことで陽性と判断されます。これは棘上筋を中心に、腱板の機能不全や断裂を示唆する代表的なテストです。
- 3. フィンケルシュタインテストは、ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)の診断に用いられるテストです。短母指伸筋と長母指外転筋の腱鞘炎を評価します。正しくは:ドケルバン病の評価に用います。選びやすい理由:手関節や指のテストですが、部位が異なるため鑑別しやすいかもしれません。混同注意:他の手関節疾患のテスト、例えばTFCC損傷のテストなどと混同されることがあります。
- 4. ファーレンテストは、手関節の屈曲位を保持することで正中神経が圧迫され、しびれや痛みが誘発されるかを評価するテストで、手根管症候群の診断に用いられます。正しくは:手根管症候群の評価に用います。選びやすい理由:これも手関節のテストですが、神経症状を評価するテストであり、腱板断裂とは無関係です。混同注意:手根管症候群の他のテスト(ティネルサインなど)や、他の神経絞扼性疾患のテストと混同されやすいです。
- 5. トムセンテストは、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の診断に用いられるテストです。手関節を掌屈し、抵抗下で伸展させる際に外側上顆部に痛みが誘発されるかを評価します。正しくは:上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の評価に用います。選びやすい理由:これも肘関節のテストであり、腱炎などの炎症性疾患を評価するため、誤って選択しそうになるかもしれません。混同注意:上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)のテスト(コーゼンテストなど)や、他の肘関節疾患のテストと混同しやすいです。
国試ポイント
肩腱板断裂の評価として、複数の特殊テストの中から適切なものを選ぶ知識が問われます。各テストがどの疾患の診断に用いられるかを正確に理解していることが重要です。
混同注意
肩関節周辺の他の疾患(インピンジメント症候群、凍結肩、上腕二頭筋長頭腱炎など)の特殊テスト(ニアサイン、ホーキンズテスト、スピードテストなど)と混同しやすいですが、ドロップアームテストは腱板断裂に特異性が高いことを認識しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、腱板断裂の他の特殊テスト(Jobeテスト、リフトオフテストなど)や、肩関節の他の主要疾患(インピンジメント症候群、凍結肩など)の診断に用いる特殊テストを問う問題が予想されます。また、疾患と陽性となるテストの組み合わせの正誤を判断させる形式も考えられます。
関連知識
腱板断裂の他のテストとして、外転筋力低下(Jobeテスト陽性)、結滞動作陽性(棘下筋・小円筋断裂)、リフトオフテスト陽性(肩甲下筋断裂)などがあります。これらのテストも合わせて理解しておくことが望ましいです。また、腱板断裂の重症度や完全性については画像診断(MRI、超音波検査)が重要となります。