胆汁で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
胆汁は肝臓で産生され、胆嚢で濃縮・貯蔵されます。そのpHは弱アルカリ性であり、胃から送られてくる酸性の内容物を中和し、膵臓から分泌される消化酵素(特にリパーゼ)が働きやすい環境を整える役割があります。胆汁には消化酵素自体は含まれておらず、脂肪の乳化を主な機能とします。胆汁酸の多くは小腸の回腸末端部で再吸収され、肝臓に戻る腸肝循環を形成します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。胆汁のpHは通常7.6〜8.6の弱アルカリ性であり、胃から十二指腸へ送られてくる酸性の食物糜粥を中和する役割があります。
- 2. 胆汁は胆嚢では作られません。正しくは:胆汁は肝臓で産生されます。胆嚢は胆汁を貯蔵し、濃縮する器官です。選びやすい理由:胆嚢は胆汁と密接な関係があるため、産生される場所と混同しやすいです。混同注意:胆嚢の機能(貯蔵・濃縮)と肝臓の機能(産生)を混同する可能性があります。
- 3. 胆汁には消化酵素が含まれていません。特に蛋白質を直接分解する作用はありません。正しくは:蛋白質の分解は主に胃でペプシンによって始まり、小腸で膵液中のトリプシンやキモトリプシン、腸液中のペプチダーゼによって行われます。胆汁は脂肪の乳化を助け、間接的に脂肪消化酵素の働きを助けます。選びやすい理由:胆汁が消化に重要な役割を果たすため、主要な栄養素の分解に直接関わると誤解しやすいです。混同注意:胆汁の役割(脂肪の乳化)と消化酵素の役割(栄養素の分解)を混同する可能性があります。
- 4. 胆汁には消化酵素が含まれていません。リパーゼは膵臓で産生される脂肪分解酵素です。正しくは:リパーゼは膵臓から分泌される消化酵素であり、胆汁はリパーゼが働きやすいように脂肪を乳化する役割を担います。選びやすい理由:胆汁が脂肪の消化を助けるため、脂肪分解酵素であるリパーゼを直接含んでいると誤解しやすいです。混同注意:胆汁の脂肪乳化作用と、リパーゼの脂肪分解作用を混同する可能性があります。
- 5. 胆汁酸の多くは、大腸ではなく主に回腸(小腸の末端部)で再吸収され、門脈を経て肝臓に戻ります(腸肝循環)。正しくは:胆汁酸の多くは主に回腸で再吸収され、門脈を経て肝臓に戻ります(腸肝循環)。選びやすい理由:消化管全体で水分などが吸収されるため、胆汁の主要成分も消化管のどこかで再吸収されるという認識から、場所を間違えやすいです。混同注意:腸肝循環の場所(回腸)と大腸の機能を混同する可能性があります。
国試ポイント
消化液の性質と機能、特にその産生場所、pH、含まれる酵素、および主な役割について正確な知識が問われています。胆汁については、産生臓器(肝臓)、貯蔵臓器(胆嚢)、消化酵素の有無、pH、および胆汁酸の再吸収部位(回腸)が頻出論点です。
混同注意
胆嚢と肝臓の役割、胆汁と膵液の成分、脂肪の乳化と分解の区別、腸肝循環の部位。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の消化液(胃液、膵液、腸液など)についても、産生場所、pH、主要成分(特に酵素)、主な作用、分泌調節機構などを問われる可能性があります。また、これらの消化液が連携して働くメカニズムや、関連する疾患(例:胆石症、膵炎)とその症状・検査値なども関連知識として重要です。
関連知識
膵液の機能と成分、胃液の機能と成分、腸液の機能と成分、消化酵素の種類と作用、消化管各部位での吸収メカニズム、肝臓・胆嚢・膵臓の連携。