延髄の障害でみられやすい症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
延髄には舌下神経核(第XII脳神経)が存在し、舌の運動を支配しています。延髄に障害が生じると、舌下神経の機能が低下し、舌の運動障害(例:舌の偏位、構音障害、嚥下障害)が症状として現れやすくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 兎眼(とがん)は、眼瞼が完全に閉じられない状態を指し、顔面神経麻痺などで見られます。顔面神経の核は橋に位置しており、延髄の障害とは直接関連が薄いです。正しくは:兎眼は、顔面神経麻痺など、主に橋より高位または末梢の病変でみられます。選びやすい理由:神経系の広範な障害で眼の症状が出ることがあるため、選択肢として見過ごしやすいかもしれません。混同注意:眼の症状全般と混同しやすいですが、特定の神経や脳幹の部位との関連を理解する必要があります。
- 2. 眼瞼下垂は、上眼瞼を挙上する動眼神経(第III脳神経)の麻痺や、交感神経系の障害(ホルネル症候群など)で見られます。動眼神経核は中脳に、交感神経中枢は視床下部や脊髄にあり、延髄の直接的な障害とは異なります。正しくは:眼瞼下垂は、主に中脳の動眼神経核や交感神経系、またはそれらの末梢経路の障害でみられます。選びやすい理由:これもまた、神経疾患における眼症状として一般的なため、誤って選びやすい可能性があります。混同注意:脳幹の様々な部位の機能と、眼の各機能との対応を混同しやすいです。
- 3. 共同偏視は、両眼が同じ方向を向いて固定される状態を指し、大脳半球の病変(特に前頭葉の眼球運動中枢)や脳幹の橋(水平性眼球運動中枢)の障害で多く見られます。延髄の障害で直接的に共同偏視が起きることは稀です。正しくは:共同偏視は、主に大脳半球や橋の病変でみられます。選びやすい理由:脳幹の他の部位の機能と混同する可能性があります。混同注意:眼球運動の異常は脳幹の様々な部位と関連するため、具体的な障害部位と症状を正確に結びつけることが重要です。
- 4. 正解。舌の運動を司る舌下神経(第XII脳神経)の核は延髄に位置しています。したがって、延髄に障害が生じると、舌下神経の機能が損なわれ、舌の運動障害(例:舌の萎縮、線維束性収縮、麻痺による偏位など)が現れやすくなります。
- 5. 対光反射の求心路は視神経(第II脳神経)、遠心路は動眼神経(第III脳神経)の副交感神経線維です。これらの経路は中脳に存在するエディンガー・ウェストファル核を介しており、延髄の障害で直接的に対光反射が障害されることは稀です。正しくは:対光反射の障害は、主に視神経や動眼神経、および中脳の病変でみられます。選びやすい理由:これも眼の機能に関連する重要な反射であるため、脳幹の障害と結びつけやすいですが、部位を特定する必要があります。混同注意:脳幹の他の部位の機能と混同しやすいです。
国試ポイント
脳幹(中脳、橋、延髄)の各部位に存在する脳神経核と、それに関連する症状を正確に結びつける知識が問われています。特に、どの脳神経がどの脳幹レベルに位置するか、そしてその神経が支配する機能は何かを理解しているかが重要です。
混同注意
脳幹の各部位の機能と関連する症状は非常に似ているため、混乱しやすいです。特に、中脳、橋、延髄にそれぞれ位置する脳神経核と、それらが支配する眼球運動、顔面筋、嚥下、舌運動などの機能を区別することが重要です。例えば、顔面神経は橋、動眼神経は中脳というように、正確な位置と機能を覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、脳幹の部位ごとに、どの脳神経核が存在し、その核が障害された場合にどのような症状が現れるかを問う可能性が高いです。また、特定の症候群(例:ワレンベルグ症候群、内側延髄症候群)と関連付けて症状を問う問題も考えられます。
関連知識
脳神経の分類と機能、脳幹の解剖と各部位の機能、ワレンベルグ症候群(延髄外側症候群)の症状(嚥下障害、構音障害、めまい、小脳失調、顔面・体幹の感覚障害、ホルネル症候群など)。