運動療法で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
等速性運動における筋の力-速度関係は、速度が遅いほど筋力発揮が大きくなるという特性があります。これは筋線維の収縮メカニズムに起因する生理学的な現象です。
選択肢ごとの解説
- 1. 自動運動は、患者自身の筋力によって随意的に行われる運動全般を指し、重力の影響の有無は定義の本質ではありません。重力に抗して行うのは、抵抗運動の一種と捉えられます。正しくは:自動運動とは、患者自身の筋力を用いて、自発的に行われる運動のことである。選びやすい理由:重力に抗して動かすには筋力が必要なため、自動運動と関連付けやすいです。混同注意:自動運動の定義と、重力下での筋力発揮を伴う運動が混同されやすいです。
- 2. 自動介助運動は、患者の自力だけでは十分な可動域が得られない場合に、治療者の介助や補助具の助けを借りて行う運動のことです。重力の影響を最小限にするのは、抵抗を軽減する目的で行われることもありますが、定義の本質ではありません。正しくは:自動介助運動とは、患者の自力だけでは困難な運動を、他動的な補助を受けながら行う運動のことである。選びやすい理由:筋力が弱い場合、重力の影響を減らして運動を行うことがあるため、自動介助運動と関連付けてしまいやすいです。混同注意:自動介助運動の定義と、重力除去位での運動や抵抗運動のレベル設定が混同されやすいです。
- 3. 等尺性運動は関節運動を伴わないため、血管収縮が強く持続しやすく、血流が阻害されやすいため、筋持久力の向上には一般的に等張性運動や等速性運動がより効果的とされています。等尺性運動は主に筋力増強や筋の安定性向上に用いられます。正しくは:等張性運動や等速性運動の方が、等尺性運動よりも筋持久力増強効果が大きい。選びやすい理由:運動の種類と効果の関連性が曖昧な場合、選択肢の内容が正しいように感じられることがあります。混同注意:等尺性運動と等張性運動それぞれの運動効果(筋力増強、筋持久力向上)が混同されやすいです。
- 4. 正解。等速性運動において、筋力と速度の関係は逆相関を示します。すなわち、低速で運動するほど、筋はより大きな張力を発生させることが可能です。これは筋の収縮特性(force-velocity relationship)によるものです。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:速度が速い方が「強い」運動というイメージがあるため、逆だと感じるかもしれませんが、筋の収縮特性を理解していれば正答できます。混同注意:一般的な運動のイメージと、筋の生理学的な力-速度関係が混同されやすいです。
- 5. 重錘を用いた運動では、重錘の作用する方向(常に鉛直下向き)と肢位の変化により、筋にかかるモーメントアームが関節角度によって変動します。したがって、全可動域にわたって負荷が一定になることはありません。正しくは:重錘を用いた運動では、肢位の変化によって筋に加わる負荷は変化する。選びやすい理由:重錘の重さ自体は一定であるため、負荷も一定だと誤解しやすいです。混同注意:重錘の物理的な重さと、身体にかかる運動学的・力学的な負荷(モーメント)が混同されやすいです。
国試ポイント
運動療法の基本的な概念、特に各運動形式の定義、特徴、および筋の生理学的な特性(力-速度関係など)が問われる問題です。単なる暗記ではなく、各運動の原理を理解しているかが試されます。
混同注意
各運動形式の名称と、その効果や特性が混同されやすいです。特に等尺性、等張性、等速性運動の違いとそれぞれの生理学的特徴の理解が重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各運動療法の効果(筋力増強、筋持久力向上、柔軟性改善など)と、その運動の具体的な適用場面や注意点に着目して選択肢を検討します。
関連知識
筋収縮のメカニズム、筋の力-速度関係(force-velocity relationship)、運動学・生体力学におけるモーメントの概念、各種運動療法の具体的な適用方法。