疼痛の評価に用いられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
フェイススケールとVASは、ともに痛みの主観的評価に広く用いられる尺度です。フェイススケールは表情を用いて痛みの程度を視覚的に表現し、特に小児やコミュニケーションが難しい場合に有用です。VASは10cmの線上に痛みの強さを自己評価する形式で、痛みの定量化に適しています。MASは筋緊張(痙縮)、SLTAは失語症、WCSTは前頭葉機能の評価にそれぞれ使用され、痛みの評価とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。フェイススケールは、表情を用いて痛みの程度を評価するスケールであり、特に小児や言語コミュニケーションが困難な患者に適しています。
- 2. MASは筋緊張(痙縮)の評価に用いられるスケールであり、痛みの評価には使用されません。正しくは:筋緊張(痙縮)の評価に用いられます。選びやすい理由:スケール名なので、痛み評価に使われるものかもしれないと誤解しやすい。混同注意:痛みの評価尺度(例:VAS, NRS)と、他の身体機能評価尺度(例:MAS, FIM)を混同する可能性があります。
- 3. SLTAは失語症の標準的な検査バッテリーであり、言語機能の評価に用いられます。痛みの評価とは直接関係ありません。正しくは:失語症の標準的な検査バッテリーであり、言語機能の評価に用いられます。選びやすい理由:英語の頭文字からなる略語であるため、何の略語か知らないと判断が難しい。混同注意:痛みの評価尺度(例:NRS, VAS)と、高次脳機能評価尺度(例:MMSE, SLTA)を混同する可能性があります。
- 4. 正解。VASは視覚的アナログ尺度であり、患者自身が痛みの強さを線上にマークすることで評価します。痛みの主観的な評価によく用いられます。
- 5. WCSTはウィスコンシンカードソーティングテストの略で、前頭葉機能、特に遂行機能や抽象的思考、概念形成能力などを評価する心理検査です。痛みの評価には用いられません。正しくは:前頭葉機能(遂行機能、抽象的思考など)の評価に用いられます。選びやすい理由:心理検査の一つであり、患者の状態を評価するものであるため、痛み評価に間接的に関係すると誤解しやすい。混同注意:痛みの評価尺度(例:NRS, VAS)と、高次脳機能評価尺度(例:MMSE, WCST)を混同する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、理学療法士が臨床で遭遇する様々な評価尺度の基本的な知識、特にそれぞれの尺度が何を評価するために用いられるのかを正確に理解しているかを問うものです。略語で出題されることが多いため、略語とその内容を結びつけて覚える必要があります。選択肢の中から、評価対象を限定した設問(例:痛みの評価)に対して、適切なものを複数選択させる形式でよく出題されます。
混同注意
各評価尺度の略語と名称、そしてその評価対象を混同しやすい。特に、MAS(筋緊張)と痛みの評価尺度を誤って結びつけるミスが多い。また、SLTAやWCSTのような高次脳機能評価尺度も、身体機能や感覚評価尺度と混同されやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の身体機能評価、高次脳機能評価、ADL評価など、異なる領域の評価尺度の名称とその目的を正確に区別できるかどうかが問われるでしょう。また、特定の疾患(例:脳卒中、パーキンソン病)に特化した評価尺度が問われる可能性もあります。
関連知識
痛みの評価尺度には、VAS(Visual Analogue Scale)、NRS(Numerical Rating Scale)、FRS(Faces Rating Scale/Face Scale)、MPQ(McGill Pain Questionnaire)などがあります。MAS(Modified Ashworth Scale)は痙縮の評価に、FIM(Functional Independence Measure)はADLの評価に、MMSE(Mini-Mental State Examination)は認知機能の評価に、バーセルインデックスはADL評価に、TUG(Timed Up and Go Test)はバランス・歩行能力評価に用いられます。