努力性呼気時に働く筋はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
努力性呼気時には、安静時呼気のような肺の弾性収縮だけでなく、意識的に空気を押し出すために能動的な筋収縮が起こります。この際に主に活動するのは、腹腔内圧を高めて横隔膜を押し上げる腹筋群(腹直筋、腹斜筋など)と、肋骨を引き下げて胸郭を縮小させる内肋間筋です。選択肢1の腹直筋と選択肢4の内肋間筋がこれに該当します。横隔膜、外肋間筋、胸鎖乳突筋は全て吸気に関与する筋肉であり、呼気筋ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。腹直筋を含む腹筋群は、収縮することで腹腔内圧を高め、横隔膜を押し上げて胸腔を強く圧迫し、努力性呼気を補助します。
- 2. 横隔膜は主に吸気時に収縮して肺を拡張させる主たる吸気筋です。呼気時は弛緩して肺の収縮を促します。正しくは:横隔膜は、吸気時に収縮し、呼気時に弛緩する主要な吸気筋です。選びやすい理由:呼吸に深く関わる筋肉であるため、努力性呼吸にも関与すると誤解しやすいです。しかしその役割は吸気に特化しています。混同注意:吸気筋と呼気筋の区別。特に、呼吸の主要な筋肉であるため、あらゆる呼吸運動に関わると錯覚しやすいです。
- 3. 外肋間筋は肋骨を引き上げ、胸郭を広げることで吸気を助ける筋肉です。呼気時には主に内肋間筋が働きます。正しくは:外肋間筋は吸気時に活動する筋肉です。選びやすい理由:肋間筋という言葉から呼吸運動全般に関与すると思われがちですが、外肋間筋は吸気、内肋間筋は呼気と役割が異なります。混同注意:外肋間筋と内肋間筋の機能の違い。名称が似ているため混同しやすいです。
- 4. 正解。内肋間筋は肋骨を引き下げ、胸郭を狭めることで胸腔内の圧力を高め、肺からの空気の排出を助ける努力性呼気筋です。
- 5. 胸鎖乳突筋は、頸部を動かすだけでなく、胸郭を持ち上げて吸気を補助する accessory muscle of inspiration (補助吸気筋) です。努力性呼気には関与しません。正しくは:胸鎖乳突筋は、努力性吸気時に活動する筋肉です。選びやすい理由:胸鎖乳突筋は、努力性の呼吸運動時に目立つ筋肉であり、激しい呼吸であれば何にでも関与すると思われやすいですが、その役割は吸気の補助に限定されます。混同注意:努力性呼吸に関わることと、努力性吸気に関わることを混同しやすいです。呼吸運動の種類と、それに伴う各筋の具体的な役割を明確に区別する必要があります。
国試ポイント
呼吸筋に関する知識、特に吸気筋と呼気筋(安静時、努力性)の区別が問われています。各筋肉の解剖学的知識だけでなく、その機能的役割を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
吸気筋と呼気筋の混同、特に外肋間筋と内肋間筋、および横隔膜や胸鎖乳突筋といった主要な呼吸関連筋がどのフェーズ(吸気/呼気、安静時/努力性)で活動するかの混同。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、安静時と努力性の呼吸運動における各筋肉の役割の違い、そして主要な呼吸筋だけでなく補助呼吸筋の機能についても理解できているかを確認します。特に、呼吸の補助筋が吸気・呼気のどちらに働くかという詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
安静時吸気筋:横隔膜、外肋間筋。安静時呼気筋:なし(肺の弾性収縮と胸郭の重力による)。努力性吸気筋:胸鎖乳突筋、斜角筋群など。努力性呼気筋:腹筋群(腹直筋、腹斜筋、腹横筋など)、内肋間筋。