嚥下中枢が存在する部位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
嚥下中枢は延髄に位置し、舌咽神経、迷走神経、三叉神経、舌下神経などから入力される感覚情報と、これらの神経および顔面神経などから出力される運動指令を統合・調節して、複雑な嚥下運動を司ります。呼吸中枢とも密接に連携し、嚥下時には一時的に呼吸を抑制する(嚥下時無呼吸)ことで誤嚥を防ぐ重要な役割を担っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 赤核は錐体外路系の一部で、姿勢反射や歩行運動の制御に関与しますが、嚥下中枢ではありません。正しくは:嚥下中枢は延髄に位置します。選びやすい理由:脳幹の一部であるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:赤核は主に運動調節に関わるため、嚥下という複雑な運動の制御に関与していると誤解される可能性があります。
- 2. 中脳は視覚や聴覚の反射、眼球運動の調節、姿勢制御などに関与しますが、嚥下中枢ではありません。正しくは:嚥下中枢は延髄に位置します。選びやすい理由:脳幹の一部であるため、嚥下のような生命維持に関わる機能の中枢があると考えやすいかもしれません。混同注意:中脳は脳幹の一部ですが、嚥下反射の中枢機能は主に延髄にあります。
- 3. 小脳は運動の協調性、バランス、姿勢保持、運動学習などを司りますが、嚥下中枢そのものではありません。嚥下運動の協調には関与します。正しくは:嚥下中枢は延髄に位置します。選びやすい理由:嚥下運動の協調性を考えると小脳が関わるとは思えますが、中枢としては不適切です。混同注意:小脳は運動の「調節」には重要ですが、嚥下反射の「中枢」とは異なります。
- 4. 橋は呼吸調節、睡眠、覚醒、顔面感覚・運動などに関与しますが、嚥下中枢ではありません。延髄と連携して嚥下運動に関与する神経核も含まれますが、主要な嚥下中枢は延髄です。正しくは:嚥下中枢は延髄に位置します。選びやすい理由:延髄に近接しており、脳幹の一部であるため、嚥下に関連する機能があると思われがちです。混同注意:橋は脳幹の一部であり、咀嚼筋の運動核など嚥下に関連する神経核を含みますが、嚥下反射全体の中枢ではありません。
- 5. 正解。延髄には、嚥下反射を統合・制御する嚥下中枢(嚥下関連神経核群)が存在します。これは呼吸中枢や循環中枢と密接に連携し、生命維持に不可欠な機能の一つです。
国試ポイント
脳幹の各部位が司る主要な機能、特に生命維持に直結する反射の中枢について問われることが多いです。延髄が呼吸、循環、嚥下といった重要機能の中枢であることを理解しているかがポイントです。
混同注意
脳幹の他の部位(中脳、橋)や小脳が、嚥下運動の協調や感覚・運動伝導路の一部に関与するため混同されやすいですが、嚥下反射を統合・制御する「中枢」は延髄です。特に橋には、三叉神経運動核など咀嚼や嚥下に関わる神経核も存在するため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、次は嚥下に関わる主要な脳神経(舌咽神経、迷走神経、三叉神経、舌下神経など)とその役割、あるいは嚥下反射の具体的なメカニズムや、嚥下障害の種類と原因(特に脳卒中後の嚥下障害)について問われる可能性があります。
関連知識
嚥下中枢は、嚥下誘発野(求心路)と嚥下実行中枢(遠心路)から構成され、多くの神経核が複雑に連携しています。具体的には、孤束核、網様体、疑核、三叉神経脊髄路核、舌下神経核などが関与します。また、脳幹外の大脳皮質(運動野、感覚野、島皮質など)も嚥下の随意的な開始や調節に関与しています。