神経性大食症について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
神経性大食症の診断基準および病態生理に関する理解が問われています。選択肢5は、神経性大食症の主要な特徴である代償行動の中で、自己誘発性嘔吐が最も頻繁に行われるという正確な記述です。その他の選択肢は、性差、電解質異常、他疾患との移行性、過食の内容に関して誤った情報を含んでいます。
選択肢ごとの解説
- 1. 神経性大食症は女性に多く見られる疾患であり、特に青年期から成人早期の女性に多いとされています。正しくは:神経性大食症は女性に多く見られる。選びやすい理由:摂食障害全般に関する性差の知識が曖昧だと、間違って選んでしまう可能性があります。混同注意:他の精神疾患との性差と混同しやすいかもしれません。
- 2. 自己誘発性嘔吐や下剤の乱用などの代償行動により、体内の電解質バランスが崩れ、低カリウム血症を呈することが一般的です。これは嘔吐により胃酸(塩酸)が失われることで代償性の代謝性アルカローシスを引き起こし、腎臓でのカリウム排泄が促進されるためです。正しくは:血液検査では低カリウム血症を呈することが多い。選びやすい理由:電解質異常が生じることは知っていても、高カリウムと低カリウムのどちらか曖昧な場合に選びやすいです。混同注意:他の疾患による電解質異常(例:腎不全での高カリウム血症)と混同することがあります。
- 3. 神経性無食欲症の経過中に、約30〜50%の患者が神経性大食症に移行すると報告されており、両疾患は連続性を持つと考えられています。正しくは:神経性無食欲症から神経性大食症へ移行することがある。選びやすい理由:異なる診断基準を持つことから、互いに独立した疾患であると誤解してしまう可能性があります。混同注意:異なる診断名を持つため、全く別の病態であると誤解しがちです。
- 4. 神経性大食症における過食では、高カロリーの食品を短時間で大量に摂取することが多く、特定の低カロリー食品に限定されるわけではありません。過食エピソード中に食べ物の種類を選り好みする傾向はあまり見られません。正しくは:高カロリーのものを過食することが多い。選びやすい理由:摂食障害における「体重増加への恐怖」という側面から、無意識にカロリーを避けるという誤ったイメージを持つことがあります。混同注意:ダイエットや一般的な健康志向と混同したり、神経性無食欲症の食事制限と混同しやすいです。
- 5. 正解。神経性大食症患者が行う代償行動の中で、自己誘発性嘔吐は最も一般的に見られるものです。これは摂取した食物による体重増加を防ぐ目的で行われます。選びやすい理由:(正答なので特になし)混同注意:(正答なので特になし)
国試ポイント
神経性大食症の基本的な疫学、病態生理(特に電解質異常)、関連疾患との鑑別・関連性、および主な症状・行動が問われるポイントです。各選択肢が疾患の異なる側面に焦点を当てているため、全体的な知識が求められます。
混同注意
神経性無食欲症との混同、一般的な肥満や食行動異常との区別、精神疾患における電解質異常の種類(低カリウム血症 vs. 高カリウム血症)。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、神経性大食症の精神症状、合併症(歯の損傷、唾液腺腫脹など)、治療介入(認知行動療法、薬物療法など)について問われる可能性があります。
関連知識
DSM-5における神経性大食症の診断基準、摂食障害の疫学、電解質異常(特に嘔吐や下剤乱用によるもの)、摂食障害の治療法。