関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。
画像の選択肢を選ぶと答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
選択肢1の肩外転は、測定法において体幹を固定し、上腕骨の軸に沿ってゴニオメーターを当て、肘関節伸展位で肩関節を外転させることで、肩関節本来の可動域を正確に測定できます。選択肢4の股内転は、骨盤を固定し、大腿骨を軸として下腿を下垂させた状態で股関節を内転させることで、股関節の内転可動域を正確に測定できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肩外転の測定では、立位または座位で肩甲帯を固定し、上腕骨を軸に、肘関節を伸展させながら肩関節を外転させます。図はこれを正しく示しています。選びやすい理由:肩関節は多軸性関節であるため、正確な測定肢位を覚えることが重要です。混同注意:肩関節の屈曲や内転、外旋・内旋の測定肢位
- 2. 肘伸展の測定では、上腕を体側に置き、肘関節を伸展させますが、図では座位で前腕が下垂しており、これは肘関節屈曲拘縮の有無などを評価する際の参考肢位としてはありえますが、標準的な肘伸展の測定肢位としては不適切です。標準的な測定は肘を最大伸展させた状態で行います。正しくは:座位または立位で上腕を体側に固定し、肘関節を最大限に伸展させた状態を測定します。選びやすい理由:肘関節の測定であることは理解しやすいですが、基本肢位を正確に覚えていないと誤りやすいです。混同注意:肘関節屈曲の測定肢位や、日常生活動作における肘の動き
- 3. 股伸展の測定では、一般的に腹臥位で股関節を伸展させますが、図では仰臥位で股関節が屈曲位から伸展されているように見えます。また、骨盤の固定が不十分であり、骨盤の前傾による代償運動が生じる可能性があります。股関節の伸展は腹臥位で測定するのが標準です。正しくは:腹臥位で骨盤を固定し、股関節を伸展させます。選びやすい理由:股関節の動きであることは理解できますが、正しい基本肢位と固定方法が把握できていないと誤りやすいです。混同注意:股関節屈曲の測定肢位や、SLR(下肢伸展挙上)テスト
- 4. 正解。股内転の測定では、仰臥位で骨盤を固定し、下肢を股関節の軸上で内転させます。図は骨盤の固定と股関節の内転を正しく示しています。選びやすい理由:股関節は多軸性関節であるため、正確な測定肢位を覚えることが重要です。混同注意:股関節の外転や屈曲、内旋・外旋の測定肢位
- 5. 足関節背屈の測定では、坐位または仰臥位で膝関節を伸展または軽度屈曲位とし、足関節の中間位から背屈させます。図では足部が台から突き出ており、足関節を完全な中間位に保てない可能性があります。また、膝関節が伸展位でない可能性もあり、これはアキレス腱の緊張による影響を受けることがあります。足関節の背屈は下腿を垂直にして足底を床につけた状態から測定する方が一般的です。正しくは:坐位で膝関節を90度屈曲させ、足底を床につけた中間位から足関節を背屈させます。選びやすい理由:足関節の動きであることは理解できますが、正しい基本肢位と足部の位置が把握できていないと誤りやすいです。混同注意:足関節底屈の測定肢位や、足部の内がえし・外がえし
国試ポイント
日本整形外科学会と日本リハビリテーション医学会が定めた関節可動域測定法(ROM測定法)における、基本肢位、軸、可動範囲、固定方法を理解しているか問われています。特に、肩関節と股関節の複雑な動きに対する正しい測定方法を覚える必要があります。
混同注意
各関節の基本肢位、軸、運動方向が混同しやすいです。特に、肩関節や股関節のように複数の動きが可能な関節では、他の動きが代償的に生じないように固定する方法が重要となります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、まず図に示された関節運動の名称が正しいか、次に基本肢位が適切か、測定部位の軸と固定が正しいか、代償運動が生じていないかを確認します。
関連知識
各関節のROM測定法だけでなく、MMT(徒手筋力テスト)における肢位や抵抗のかけ方、神経学的検査における反射の促通方法なども合わせて学習すると良いでしょう。また、正常値と異常値の判断基準も重要です。