概日リズムの障害による疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
睡眠相後退症候群は、概日リズム睡眠障害の一つであり、生体内の概日リズムが社会的な生活リズムと一致せずに後方へずれることで、入眠時刻や覚醒時刻が遅延する病態です。これは概日リズムそのものの障害によって引き起こされる疾患であり、設問の「概日リズムの障害による疾患」に直接該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 睡眠時遊行症はノンレム睡眠中に起こる睡眠時随伴症(パラソムニア)の一種であり、概日リズムの障害とは直接関連しません。正しくは:これはノンレム睡眠中に起こる異常行動であり、概日リズム障害とは異なります。選びやすい理由:睡眠中の異常行動であるため、広義の睡眠障害と捉えてしまう可能性があります。混同注意:他の睡眠障害、特にレム睡眠行動障害や夜驚症と混同しやすいです。
- 2. ナルコレプシーは、日中の過剰な眠気や情動脱力発作(カタプレキシー)を特徴とする中枢性過眠症の一種であり、概日リズムの直接的な障害が原因ではありません。オレキシン神経系の異常が主な原因とされています。正しくは:これは脳内のオレキシン不足が原因とされる過眠症であり、概日リズム障害とは異なります。選びやすい理由:日中の眠気が特徴であるため、生活リズムの乱れと関連していると誤解しやすいかもしれません。混同注意:他の種類の過眠症や、不適切な睡眠習慣による一時的な眠気と混同しやすいです。
- 3. 正解。睡眠相後退症候群は、概日リズム睡眠障害の一つであり、通常の社会生活で求められる時間よりも大幅に遅い時刻に睡眠と覚醒のリズムが固定されてしまう状態を指します。これは、生体内の概日リズムを司る体内時計の位相が後方にずれることによって生じます。正しくは:この疾患は概日リズムのずれにより、本来寝るべき時刻に眠れず、起きるべき時刻に起きられない状態です。選びやすい理由:リズムの乱れという言葉から、最も直接的に関連性を想像しやすい選択肢です。混同注意:他の概日リズム睡眠障害、特に睡眠相前進症候群と対比して理解することが重要です。
- 4. むずむず脚症候群は、夕方から夜間にかけて脚に不快な感覚が生じ、動かしたくなる衝動に駆られる運動障害であり、ドーパミン系の機能障害や鉄欠乏など複数の要因が関与しますが、概日リズムの直接的な障害ではありません。正しくは:これは脚の不快な感覚と運動欲求を特徴とする神経疾患であり、概日リズム障害とは異なります。選びやすい理由:症状が夜間に悪化するという特徴から、睡眠リズムと関連すると感じやすいかもしれません。混同注意:周期性四肢運動障害(PLMD)と合併することが多く、両者の違いを理解しておくことが重要です。
- 5. レム睡眠行動障害は、通常は麻痺しているレム睡眠中に、夢の内容がそのまま行動として現れてしまう睡眠時随伴症(パラソムニア)の一種です。これは脳幹の運動抑制機能の障害が原因であり、概日リズムの直接的な障害ではありません。正しくは:これはレム睡眠中の運動抑制機能の障害によるもので、概日リズム障害とは異なります。選びやすい理由:睡眠中の異常行動であるため、睡眠時遊行症と同様に広義の睡眠障害と捉えてしまう可能性があります。混同注意:睡眠時遊行症(ノンレム睡眠中の異常行動)と対比して理解することが重要です。
国試ポイント
この問題は、主要な睡眠障害の種類と、それぞれの原因や特徴について正しく理解しているかを問うものです。特に「概日リズム障害」という特定の原因に焦点を当てて、それに該当する疾患を選択させる形式です。概日リズム、パラソムニア、過眠症といった分類の知識が重要になります。
混同注意
様々な睡眠障害が選択肢として並べられているため、それぞれの疾患の診断基準、原因、特徴を正確に把握していないと混乱しやすい。特に、睡眠中の異常行動である「睡眠時遊行症」と「レム睡眠行動障害」や、日中の眠気を特徴とする「ナルコレプシー」と「概日リズム障害による過眠」などを混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各睡眠障害の主要な分類(概日リズム障害、パラソムニア、過眠症、睡眠関連運動障害など)と、それぞれの代表的な疾患、その原因(例:オレキシン、ドーパミン、概日リズムのずれなど)、および主な症状を区別できるかが問われるでしょう。また、具体的な症例を提示して診断させる問題形式も考えられます。
関連知識
概日リズム睡眠障害には、睡眠相後退症候群の他に、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒リズム障害、不規則型睡眠覚醒リズム障害などがあります。それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。また、他の選択肢である睡眠時遊行症やレム睡眠行動障害はパラソムニア(睡眠時随伴症)、ナルコレプシーは中枢性過眠症、むずむず脚症候群は睡眠関連運動障害に分類されます。