図1の検査で異常がみられた場合、図2の脊髄横断面の模式図において損傷が考えられる部位はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
図の検査は音叉を用いた振動覚検査であり、振動覚は後索・内側毛帯路を上行します。脊髄横断面において後索は⑤に位置するため、異常がみられた場合は⑤の損傷が考えられます。
選択肢ごとの解説
- 1. ①は脊髄前角に相当し、主に運動ニューロンが存在する部位であり、振動覚の伝導路ではありません。正しくは:①の損傷は主に弛緩性麻痺や筋萎縮などを引き起こします。選びやすい理由:脊髄損傷の様々な病態を混同しやすいため。混同注意:運動伝導路(特に下位運動ニューロン)の障害
- 2. ②は脊髄側角に相当し、主に自律神経の細胞体が存在する部位であり、振動覚の伝導路ではありません。正しくは:②の損傷は自律神経症状(例:ホルネル症候群、膀胱直腸障害)を引き起こす可能性があります。選びやすい理由:脊髄の灰白質に位置するため、感覚伝導路と誤解されやすいため。混同注意:自律神経系の障害
- 3. ③は脊髄側索の外側部分に相当し、主に外側皮質脊髄路が走行する部位です。外側皮質脊髄路は運動を伝える伝導路であり、振動覚の伝導路ではありません。正しくは:③の損傷は主に痙性麻痺やバビンスキー反射陽性などの錐体路症状を引き起こします。選びやすい理由:脊髄の白質に位置するため、感覚伝導路と誤解されやすいため。混同注意:運動伝導路(錐体路)の障害
- 4. ④は脊髄側索の前外側部分に相当し、主に脊髄視床路が走行する部位です。脊髄視床路は痛覚や温度覚を伝える伝導路であり、振動覚の伝導路ではありません。正しくは:④の損傷は対側の痛覚・温度覚障害を引き起こします。選びやすい理由:感覚伝導路の一部であるため、振動覚も伝えると誤解されやすいため。混同注意:脊髄視床路(痛覚・温度覚)の障害
- 5. 正解。図の検査は音叉を用いた振動覚検査であり、振動覚は深部感覚の一種で後索・内側毛帯路を上行します。脊髄横断面の模式図において⑤は後索に相当するため、振動覚異常は⑤の損傷を示唆します。選びやすい理由:脊髄の主要な伝導路の位置を正確に理解していれば、正答にたどり着きやすい。混同注意:脊髄における他の感覚伝導路の走行部位
国試ポイント
脊髄における主要な感覚伝導路の位置を正確に覚えること。
混同注意
脊髄における各伝導路(後索路、脊髄視床路、皮質脊髄路など)の走行部位と、それぞれが伝える感覚の種類を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、まず図の検査が何を評価しているか(どの感覚をみているか)を特定し、次にその感覚の伝導路が脊髄のどこを走行しているかを確認して判断します。
関連知識
後索路は振動覚、触覚、圧覚、深部感覚(位置覚、運動覚)を伝えます。脊髄視床路は痛覚、温度覚、粗大触覚を伝えます。皮質脊髄路は錐体路とも呼ばれ、随意運動を伝えます。