小児自閉症について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
自閉スペクトラム症は、女児に比べて男児に多く診断される傾向があります。具体的な男女比は研究により異なりますが、一般的に約4〜5対1で男児が多いとされています。これは自閉スペクトラム症の疫学的な特徴の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 小児自閉症(現在の診断名では自閉スペクトラム症)の多くは、3歳頃までの乳幼児期に発達の偏りや特異な行動として症状が認識され始めます。正しくは:乳幼児期に症状が認識され始めることが多いです。選びやすい理由:症状が顕著になり、診断が確定するのは学童期以降になる場合もあるため、発症時期と症状の明確化時期を混同する可能性があります。混同注意:「発症」と「診断確定」の時期。
- 2. 小児自閉症は神経発達症の一つであり、直接的に脊椎変形を引き起こす疾患ではありません。脊椎変形は他の疾患や原因によって生じます。正しくは:脊椎変形を生じることはありません。選びやすい理由:発達障害全般の知識が曖昧な場合、合併しやすい身体合併症と誤解する可能性があります。混同注意:自閉スペクトラム症に合併しやすい他の医学的問題(例:胃腸障害、睡眠障害など)との混同。
- 3. 正解。自閉スペクトラム症は、一般的に女児よりも男児に多く診断されることが知られています。男女比は疾患によって異なりますが、自閉スペクトラム症では約4:1から5:1程度と報告されています。選びやすい理由:特になし。正確な知識を問う選択肢です。
- 4. 自閉スペクトラム症の診断基準では、知的な遅れの有無は問われませんが、約半数程度の症例で知的障害を伴うとされています。決して稀ではありません。正しくは:知的な遅れを伴うことは少なくありません。選びやすい理由:高機能自閉症やアスペルガー症候群(現在は自閉スペクトラム症に統合)のイメージが強いと、知的障害が伴わない症例が多いと誤解しやすいです。混同注意:「高機能自閉症」と「自閉スペクトラム症全体」の知的レベル。
- 5. 自閉スペクトラム症においててんかんを合併する割合は、一般人口よりも高いものの、全ての症例、あるいは大部分の症例で見られるわけではありません。約10〜30%程度と報告されており、「大部分」は誤りです。正しくは:一部の症例でてんかんを合併することがあります。選びやすい理由:自閉スペクトラム症とてんかんの併発率が一般人口より高いという事実を知っていると、「大部分」という表現に惑わされやすいです。混同注意:「併発率が高い」と「大部分に合併する」という頻度の違い。
国試ポイント
小児自閉症(自閉スペクトラム症)の基本的な臨床特徴、特に発症時期、合併症の有無、疫学(男女比)、知的能力との関連について問われています。具体的な数値や頻度表現に注意が必要です。
混同注意
自閉スペクトラム症の診断基準、他の神経発達症との鑑別、併存疾患との関連性、症状の多様性。
次に同じ論点が出たら
次に自閉スペクトラム症の知識が問われる際は、その診断基準の中核的な症状(社会的コミュニケーションの障害、限定された興味と反復行動)や、支援・療育の具体的な内容、または他の神経発達症(例:ADHD、学習障害)との鑑別点について問われる可能性があります。
関連知識
自閉スペクトラム症の診断基準(DSM-5またはICD-11)、早期発見・早期療育の重要性、知的障害やてんかんなどの併存症の頻度と特徴、感覚過敏などの特異な症状、社会的コミュニケーションの障害、限定された興味と反復行動。