アテトーゼ型脳性麻痺に残存しやすい原始反射はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
対称性緊張性頸反射(STNR)は、頭部の屈曲・伸展に応じて上肢・下肢の緊張が変化する反射で、通常生後6〜9ヶ月頃に消失します。アテトーゼ型脳性麻痺は、基底核の損傷に起因する不随意運動と筋緊張の変動が特徴であり、この型の脳性麻痺では姿勢制御の障害が顕著です。STNRが残存すると、四つ這いや座位保持が困難になり、姿勢の安定性や視線固定に影響を与え、学習や日常生活動作の獲得を妨げることが知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 吸啜反射は乳児期に口周囲への刺激で生じる反射で、通常は生後数ヶ月で消失します。アテトーゼ型脳性麻痺の患者においては、摂食・嚥下障害を伴うことがありますが、吸啜反射の残存が特に特徴的というわけではありません。正しくは:吸啜反射の残存は、脳性麻痺の中でも特に重度の摂食障害や発達の遅れがある場合にみられる可能性がありますが、アテトーゼ型に特異的ではありません。選びやすい理由:摂食障害との関連から選びやすいかもしれませんが、原始反射の残存としてアテトーゼ型に最も特徴的なものではありません。混同注意:モロー反射、非対称性緊張性頸反射など、脳性麻痺全般で残存しやすい他の原始反射と混同する可能性があります。
- 2. 手掌把握反射は手のひらに触れることで指が握りこむ反射で、通常は生後4〜6ヶ月で消失します。アテトーゼ型脳性麻痺では不随意運動が主体であり、把握反射の残存が特徴的とは言えません。正しくは:手掌把握反射の残存は、脳性麻痺の中でも運動発達遅延や筋緊張異常がある場合にみられる可能性はありますが、アテトーゼ型に特異的な指標ではありません。選びやすい理由:上肢の運動機能障害があることから、把握反射との関連を連想しやすいかもしれません。混同注意:足底把握反射やその他の原始反射の残存と混同する可能性があります。
- 3. 陽性支持反射は足底を地面につけることで下肢の伸展緊張が高まる反射で、通常は生後数ヶ月で消失し、姿勢反射へと統合されます。アテトーゼ型脳性麻痺では持続的な筋緊張の変動があるため、陽性支持反射の残存が際立つとは言えません。正しくは:陽性支持反射の残存は、脳性麻痺の中でも特に痙直型などで見られることがありますが、アテトーゼ型に特有のものではありません。選びやすい理由:歩行や立位保持の困難さから、下肢の反射に関心が向きやすいかもしれません。混同注意:非対称性緊張性頸反射や対称性緊張性頸反射といった、姿勢制御に関連する他の反射と混同しやすいです。
- 4. 交叉性伸展反射は片方の下肢を刺激すると反対側の足が伸展する反射で、通常は生後2ヶ月頃までに消失します。脳性麻痺全般において運動発達の遅延を伴う場合に残存することがありますが、アテトーゼ型に最も特徴的とは言えません。正しくは:交叉性伸展反射の残存は、脳性麻痺全般において、特に重度の運動機能障害がある場合にみられる可能性がありますが、アテトーゼ型に特異的ではありません。選びやすい理由:下肢の協調運動の障害との関連から連想しやすいかもしれません。混同注意:非対称性緊張性頸反射や対称性緊張性頸反射など、他の原始反射と混同する可能性があります。
- 5. 正解。対称性緊張性頸反射(STNR)は、頸部の屈曲・伸展によって上肢・下肢の屈筋・伸筋群の緊張が変化する反射です。アテトーゼ型脳性麻痺では、基底核の損傷により不随意運動や筋緊張の変動が特徴であり、特に姿勢の安定性や平衡反応の発達が障害されるため、STNRの残存が見られやすいとされています。これにより、四つ這いや座位での不安定性が増し、学習や日常生活動作に影響を及ぼします。混同注意:非対称性緊張性頸反射(ATNR)と混同しやすいですが、ATNRは痙直型脳性麻痺でより頻繁に見られます。STNRはアテトーゼ型で特徴的に見られることがあります。
国試ポイント
脳性麻痺の病型とそれに特徴的な原始反射の残存を問う問題です。特に、痙直型とアテトーゼ型それぞれの特徴的な反射の残存を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
非対称性緊張性頸反射(ATNR)と混同しやすいですが、ATNRは主に痙直型脳性麻痺で残存しやすく、STNRはアテトーゼ型脳性麻痺でより関連性が高いとされます。各原始反射がどのような刺激で誘発され、どのような反応を示すか、そしてどの病型に特徴的に残存するかを区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同じ論点が出題された場合、非対称性緊張性頸反射がどの病型に残りやすいか、また、その他の原始反射(モロー反射、ランドー反射など)が脳性麻痺の診断やリハビリテーションにおいてどのような意味を持つかを問われる可能性があります。
関連知識
原始反射の定義、種類、誘発方法、消失時期、残存した場合の影響(運動発達、学習、ADL)、脳性麻痺の各病型(痙直型、アテトーゼ型、失調型、低緊張型など)の主な症状と病態生理、および各病型に特徴的な原始反射の残存や姿勢反応の障害。