閉塞性動脈硬化症で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化症の一つであり、特に下肢の動脈、具体的には大動脈分岐部から膝窩動脈にかけての比較的太い動脈に病変が好発します。これは血流の乱れや物理的ストレスが集中しやすい部位であるためと考えられています。他の選択肢は閉塞性動脈硬化症の一般的な症状や鑑別点に関する誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 閉塞性動脈硬化症では、動脈血流の低下により、患肢に冷感が生じることが一般的です。正しくは:患肢に冷感を訴えることがあります。選びやすい理由:症状が進行するまで自覚症状がないと思われがちですが、冷感は比較的早期から現れる症状の一つです。混同注意:静脈瘤の症状や、神経障害による感覚異常と混同されることがあります。
- 2. 閉塞性動脈硬化症が進行すると、安静時にも虚血による痛み(安静時痛)が生じ、これは重症下肢虚血の兆候です。正しくは:病状が進行すると、安静時にも痛みを感じることがあります。選びやすい理由:初期の段階では運動時痛が主であるため、安静時痛はないと思われやすいです。しかし、安静時痛は重症度を示す重要な指標です。混同注意:運動時にのみ発生する間欠性跛行と混同されることがあります。
- 3. 閉塞性動脈硬化症では、血流障害により神経組織への酸素供給が不足し、しびれ感や異常感覚が生じることがあります。正しくは:血流障害により、しびれ感を伴うことがあります。選びやすい理由:しびれ感は神経障害と関連が深いため、血管系の疾患とは無関係と考えられやすいですが、虚血により神経も影響を受けます。混同注意:糖尿病性神経障害や脊柱管狭窄症など、他の原因によるしびれと混同されることがあります。
- 4. 間欠性跛行が体幹前傾で改善するのは、脊柱管狭窄症の典型的な特徴です。閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行は、体位による改善は見られず、むしろ歩行中止や安静で改善します。正しくは:間欠性跛行は、歩行を中止し安静にすることで改善します。選びやすい理由:間欠性跛行という症状が共通しているため、脊柱管狭窄症と混同されやすいです。混同注意:脊柱管狭窄症による神経性間欠性跛行と、閉塞性動脈硬化症による血管性間欠性跛行を混同しやすいです。
- 5. 正解。閉塞性動脈硬化症は、主に下肢の大血管、特に大動脈、腸骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈などに好発します。これらの動脈は血流の分岐点や屈曲部に多く発生しやすいです。選びやすい理由:全身の動脈で起こる可能性はありますが、臨床上、下肢の動脈が最も問題となることが多いため、この記述は重要です。混同注意:脳血管や冠動脈といった他の部位の動脈硬化性疾患と、好発部位を混同することがあります。
国試ポイント
閉塞性動脈硬化症の主要症状、診断基準、鑑別診断(特に脊柱管狭窄症との区別)、および好発部位に関する基本的な知識が問われています。それぞれの症状が動脈硬化症によるものか、他の疾患によるものかを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
間欠性跛行に関しては、脊柱管狭窄症による神経性間欠性跛行との鑑別が非常に重要です。神経性間欠性跛行は体幹前傾で改善しますが、血管性間欠性跛行は安静で改善します。また、冷感やしびれ感は神経障害や他の循環器疾患でも見られるため、鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回、閉塞性動脈硬化症に関する問題が出題された場合、症状の進行度とそれに伴う症状変化(間欠性跛行→安静時痛)、重症度分類、鑑別すべき疾患(特に脊柱管狭窄症)の特徴、および基本的な検査法(ABI)について注意して選択肢を検討します。
関連知識
Fontaine分類(ステージI〜IV)やLeriche症候群、ABI(足関節上腕血圧比)、SPP(皮膚灌流圧)などの診断指標、治療法(薬物療法、運動療法、血管内治療、バイパス術)についても関連知識として押さえておく必要があります。