検査方法を図に示す。 この検査方法はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
画像は、被検者が仰臥位で、検者が片足を持ち上げ、股関節を屈曲させている様子を示しています。この姿勢は、坐骨神経のストレッチングにより、神経根性疼痛の誘発を確認するSLRテスト(Straight Leg Raising Test)の典型的な肢位です。
選択肢ごとの解説
- 1. Oberテストは、腸脛靭帯の短縮を評価するテストであり、被検者は側臥位で、検者は股関節を外転・伸展させてから下垂させます。画像の手技とは異なります。正しくは:Oberテストは、側臥位で患側を下にし、膝を90度屈曲させ股関節を外転・伸展位から、膝を伸ばしたままゆっくり下ろしていき、下肢がベッドに接触するかどうかで腸脛靭帯の伸張性を評価します。選びやすい理由:下肢のストレッチングに関わるテストであるため、混同しやすい可能性があります。混同注意:Thomasテストなど、股関節の可動域を評価する他のテスト。
- 2. Patrickテスト(Faberテスト)は、股関節の病変(特に仙腸関節炎や股関節炎)を評価するテストであり、被検者は仰臥位で、片側の股関節を屈曲・外転・外旋させて対側の膝に乗せ、検者が患側の膝をベッド方向に押し下げます。画像の手技とは異なります。正しくは:Patrickテストは、仰臥位で患側の股関節を屈曲・外転・外旋させ、足関節を対側の膝に乗せた状態から、患側の膝をゆっくりとベッド方向に押し下げることで、股関節や仙腸関節の痛みを誘発するかどうかを評価します。選びやすい理由:股関節の可動域を評価するテストであるため、混同しやすい可能性があります。混同注意:Gaenslenテストなど、仙腸関節を評価する他のテスト。
- 3. 正解。SLRテスト(Straight Leg Raising Test)は、被検者が仰臥位で膝関節を伸展したまま股関節を屈曲させ、下肢を挙上する検査です。画像では、検者が被検者の下肢を膝関節伸展位のまま挙上しており、これはSLRテストの典型的な手技と一致します。選びやすい理由:画像は明確にSLRテストの手技を示しており、他の選択肢と混同する要素は少ないです。混同注意:Bragardテスト(SLR陽性時に足関節背屈を追加する)やFajersztajnテスト(健側SLRテスト)など、SLRテストの派生的なテスト。
- 4. Thomasテストは、腸腰筋の短縮を評価するテストであり、被検者は仰臥位で片方の股関節を最大屈曲させ、もう一方の下肢がベッドから浮き上がるかどうかで判断します。画像の手技とは異なります。正しくは:Thomasテストは、仰臥位で健側の股関節を最大限に屈曲させ、両手で膝を抱え込むように固定します。この時、患側の膝がベッドから浮き上がるかどうかで腸腰筋の短縮の有無を評価します。選びやすい理由:股関節の屈曲を評価するテストであるため、混同しやすい可能性があります。混同注意:Oberテストなど、股関節周囲の他のテスト。
- 5. Thompsonテストは、アキレス腱断裂を評価するテストであり、被検者は腹臥位で膝を屈曲させ、検者が下腿を把持して腓腹筋を圧迫します。画像の手技とは全く異なります。正しくは:Thompsonテストは、腹臥位で膝関節を90度屈曲させた状態で、検者が下腿中央部を把持し腓腹筋を圧迫します。この際に足関節の底屈がみられない場合にアキレス腱断裂を陽性とします。選びやすい理由:下肢の検査であるため、名称だけを見て混同する可能性があります。混同注意:足関節の他の検査(前引き出しテストなど)。
国試ポイント
神経学的な検査法と、それが評価する主要な病態生理を理解しているか。
混同注意
各テストの目的と手技を正確に区別すること。特に股関節や膝関節周囲の他の整形外科的テストとの混同が多い。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題が出題された場合、被検者の体位、検者の手技、そして股関節や膝関節の角度に注目して判断します。
関連知識
SLRテストは、特に椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛の評価に用いられます。神経根症状がない場合でも、大腿後面や下腿の柔軟性低下でも陽性となることがあるため、注意が必要です。Bragardテスト(足関節背屈負荷)やFajersztajnテスト(健側SLRテスト)なども関連知識として重要です。