検査方法を図に示す。 この検査で陽性となるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ハムストリングスは股関節伸展および膝関節屈曲に作用する。損傷(特に肉離れ)があると、これらの動作や関連するストレッチ(膝関節伸展位での股関節屈曲)で疼痛や抵抗感が生じ、陽性所見となるため。
選択肢ごとの解説
- 1. アキレス腱断裂はThompson test(下腿三頭筋の腹を把持して圧迫すると足関節が底屈しない)で陽性となる。本検査では陽性とならない。正しくは:Thompson testで陽性となる。選びやすい理由:下肢の損傷であるため、鑑別疾患として頭をよぎりやすい。混同注意:アキレス腱炎や足関節捻挫など、他の足関節周囲の疾患。
- 2. 膝蓋骨脱臼は通常、徒手的な整復操作や、膝蓋骨の不安定性検査(Apprehension testなど)で陽性となる。本検査では陽性とならない。正しくは:Apprehension testなどで陽性となる。選びやすい理由:膝関節周囲の疾患として、選択肢として考えられるため。混同注意:膝関節捻挫や半月板損傷など、他の膝関節疾患。
- 3. 大腿筋膜張筋短縮は、Ober test(側臥位で股関節外転位から股関節を内転させた際に、大腿がベッドにつかない)などで陽性となる。本検査では陽性とならない。正しくは:Ober testで陽性となる。選びやすい理由:股関節周囲の短縮として、似たような検査を想定する可能性があるため。混同注意:腸脛靭帯炎や中殿筋の機能不全。
- 4. 大腿四頭筋短縮は、Ely test(腹臥位で膝関節を屈曲させると骨盤が挙上する)などで陽性となる。本検査では陽性とならない。正しくは:Ely testで陽性となる。選びやすい理由:ハムストリングスと拮抗する筋であるため、関連疾患として頭をよぎりやすい。混同注意:大腿四頭筋損傷や膝蓋大腿関節障害。
- 5. 正解。ハムストリングス損傷(肉離れなど)がある場合、膝関節伸展位での股関節屈曲(下肢伸展挙上やSLRテストに相当する動作)により、損傷部位に伸張ストレスがかかり疼痛や抵抗感が生じるため、陽性となる。選びやすい理由:下肢の筋群の中で、最も本検査で陽性となりやすい病態だから。混同注意:ハムストリングス短縮。損傷は疼痛を伴うが、短縮は主に可動域制限が主。
国試ポイント
筋の機能解剖と損傷時の症状・検査所見を関連付けて理解すること。
混同注意
各筋群の短縮と損傷の鑑別。短縮は可動域制限が主だが、損傷は疼痛を伴う可動域制限や筋力低下が主。
次に同じ論点が出たら
今後同様の検査問題が出た場合、検査所見がどの筋の伸張性や収縮時痛をみているかを判断し、その筋の損傷や短縮を特定する。
関連知識
ハムストリングスは半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋から構成され、スポーツ活動での肉離れが多い。関連検査としてSlump testなど神経伸張性テストもある。