非ステロイド性抗炎症薬の副作用として正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、シクロオキシゲナーゼ(COX)酵素を阻害することでプロスタグランジン(PG)の産生を抑制します。このPGには炎症抑制作用だけでなく、胃粘膜保護作用もあります。PGの産生が抑制されると、胃酸分泌の抑制や胃粘膜血流の増加といった保護作用が弱まり、胃炎や胃潰瘍、消化管出血などの消化器系の副作用が発生しやすくなります。選択肢1の「胃潰瘍」はNSAIDsの代表的な副作用として知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。NSAIDsはプロスタグランジン合成を阻害することで、胃粘膜保護作用を低下させ、胃潰瘍や消化管出血を引き起こすリスクがあります。
- 2. 多幸感はNSAIDsの一般的な副作用ではありません。正しくは:NSAIDsの副作用として多幸感が挙げられることはありません。これは主にステロイドの副作用として見られることがあります。選びやすい理由:薬の副作用として精神症状があることは一般的に知られているため、可能性の一つとして選んでしまうかもしれません。混同注意:ステロイドの副作用である精神症状(多幸感、不眠、うつなど)と混同しやすいです。
- 3. NSAIDsが直接的な低血糖の原因となることは稀であり、糖尿病治療薬との併用時にその作用を増強する可能性はありますが、単独での低血糖は主な副作用ではありません。正しくは:低血糖は、糖尿病治療薬(特にスルホニル尿素薬など)の副作用として一般的です。NSAIDsが直接的に低血糖を引き起こすことは稀です。選びやすい理由:他の薬剤(糖尿病治療薬など)の副作用として低血糖があるため、薬の副作用全般として捉えて選んでしまうかもしれません。混同注意:糖尿病治療薬の副作用や、肝機能障害による糖代謝異常などと混同しやすいです。
- 4. 骨粗鬆症はNSAIDsの直接的な副作用ではありません。正しくは:骨粗鬆症は、長期的なステロイド使用や加齢、閉経などによって引き起こされることが多いです。NSAIDsの使用が骨粗鬆症を直接的に引き起こすことはありません。選びやすい理由:関節炎などで長期的に薬を服用するイメージから、骨に関連する副作用を選んでしまう可能性があります。混同注意:ステロイドの長期服用による骨粗鬆症と混同しやすいです。
- 5. 中心性肥満はNSAIDsの一般的な副作用ではありません。正しくは:中心性肥満は、クッシング症候群の主要な症状であり、主に副腎皮質ステロイドの長期服用によって引き起こされます。選びやすい理由:薬の副作用で体型が変わることはある、という漠然とした知識から選んでしまうかもしれません。混同注意:ステロイドの副作用である中心性肥満(ムーンフェイス、バッファローハンプなど)と混同しやすいです。
国試ポイント
薬剤の作用機序とそれに伴う主要な副作用の知識が問われています。特に、NSAIDsとステロイドの副作用は混同しやすいため、その違いを正確に理解しているかがポイントです。
混同注意
NSAIDsの副作用とステロイドの副作用。特に精神症状、代謝異常、骨への影響、消化器症状など。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、薬剤名(NSAIDs、ステロイド、糖尿病薬など)と、それに特異的な主な副作用の組み合わせを問う問題が予想されます。作用機序と副作用の関連性を理解しているか、特定の疾患を持つ患者への禁忌や注意点などもチェックしましょう。
関連知識
NSAIDsの作用機序(COX阻害)、プロスタグランジンの生理作用、ステロイド薬の副作用(血糖上昇、骨粗鬆症、中心性肥満、多幸感、免疫抑制など)、アスピリン喘息、腎機能障害(腎血流量低下)。