線維素溶解に働くのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
プラスミンは線溶系の主役となる酵素であり、血液凝固によって生成されたフィブリン(線維素)を特異的に分解することで、血栓を溶解する働きがあります。これにより、血管の閉塞を防ぎ、血液の循環を維持します。
選択肢ごとの解説
- 1. アルブミンは血漿中に最も多く存在するタンパク質で、浸透圧の維持や物質輸送など様々な機能を持つが、線維素溶解には関与しません。正しくは:アルブミンは主に膠質浸透圧の維持や物質輸送(ホルモン、薬物など)に関わる血漿タンパク質である。選びやすい理由:血液中の主要成分であるため、何らかの重要な役割を果たすと連想されやすい。混同注意:他の血漿タンパク質(グロブリンなど)との役割の混同。
- 2. グロブリンは免疫機能(抗体など)や物質輸送に関わる血漿タンパク質の総称ですが、直接的な線維素溶解作用はありません。正しくは:グロブリンは免疫機能(γ-グロブリンなど)や物質輸送に関わる血漿タンパク質である。選びやすい理由:アルブミンと同様に、血液中の主要なタンパク質であるため、多機能であると誤解されやすい。混同注意:血漿タンパク質の機能全般との混同。
- 3. トロンビンは血液凝固の最終段階でフィブリノゲンをフィブリンに変換する酵素であり、線維素を溶解するのではなく、むしろ線維素の形成を促進します。正しくは:トロンビンは血液凝固を促進し、フィブリノゲンからフィブリンを生成する酵素である。選びやすい理由:血液凝固・線溶系における中心的な酵素であるため、その機能が混同されやすい。特に「溶解」とは逆の作用を持つ。混同注意:プラスミン(線溶)とトロンビン(凝固)の機能の混同。
- 4. フィブリンは血液凝固の際に形成される線維状のタンパク質であり、血栓の主成分です。線維素溶解の対象となる物質であり、線維素溶解作用自体は持ちません。正しくは:フィブリンは血液凝固によって形成される、血栓の主成分となる線維状タンパク質である。選びやすい理由:「線維素溶解」という言葉に「フィブリン」が含まれるため、関連が深いと錯覚しやすい。しかし、フィブリンは溶解される側である。混同注意:線溶系の因子(プラスミンなど)と、線溶系のターゲットであるフィブリンとの混同。
- 5. 正解。プラスミンはプラスミノーゲンから生成されるセリンプロテアーゼで、フィブリンを分解し、血栓を溶解する主要な酵素です。線維素溶解(線溶)系の中心的な役割を担います。
国試ポイント
血液凝固・線溶系の各因子の役割を正確に理解しているかを問う問題です。特に、凝固と線溶の対立する作用を持つ因子の区別が重要です。
混同注意
トロンビン(凝固促進)とプラスミン(線溶促進)、フィブリン(凝固産物)とプラスミン(フィブリン分解酵素)
次に同じ論点が出たら
線溶系だけでなく、血液凝固系の主要な酵素(例: トロンビン、第Xa因子)やその他の因子(例: カルシウムイオン、ビタミンK依存性凝固因子)の役割と、それらが関わる疾患(例: 血友病、DIC)について問われる可能性があります。
関連知識
プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA, u-PA)、プラスミノーゲンインヒビター(PAI)、α2-アンチプラスミンなどの線溶系関連因子、およびそれらの作用機序。血液凝固カスケード。