42歳の男性。Guillain-Barré症候群。発症後3日目。四肢体幹の重度な麻痺と呼吸筋麻痺のため人工呼吸器管理の状態である。この時期に行う理学療法で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ギラン・バレー症候群の急性期では、呼吸筋麻痺により人工呼吸器を装着している状況で、自力での排痰が困難となります。気道分泌物の貯留は肺炎や無気肺のリスクを高めるため、体位ドレナージによる排痰促進は呼吸器合併症予防に極めて重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。42歳の男性がギラン・バレー症候群で呼吸筋麻痺により人工呼吸器を装着している急性期において、体位ドレナージは貯留した分泌物を除去し、肺炎や無気肺などの呼吸器合併症を予防するために最も適切な理学療法です。選びやすい理由:症例の呼吸状態と合併症リスクを考慮すると、この選択肢が最も優先されるべきと判断できるため。混同注意:急性期の全身状態が不安定な時期に積極的に行うべき運動療法との区別。
- 2. ギラン・バレー症候群は弛緩性麻痺を主徴とする疾患であり、急性期に痙縮が出現することは通常ありません。痙縮は上位運動ニューロン障害でみられる症状であり、この症例には当てはまりません。正しくは:ギラン・バレー症候群の回復期に筋緊張の亢進が見られることはあるが、急性期の治療対象ではない。選びやすい理由:他の神経疾患では痙縮が問題となることがあるため、一般的な理学療法手技として連想される可能性がある。混同注意:脳卒中や脊髄損傷などの痙縮を伴う疾患の理学療法との混同。
- 3. 急性期の重度麻痺の状態で漸進的抵抗運動を行うと、神経の再ミエリン化を阻害したり、過負荷による筋損傷を引き起こすリスクがあります。この時期は関節可動域保持やアライメント保持が中心となります。正しくは:体幹への関節可動域運動やポジショニングによるアライメント保持。選びやすい理由:リハビリテーションといえば筋力トレーニングというイメージが強いため。混同注意:回復期の筋力増強運動との混同。
- 4. 急性期の重度麻痺の状態で高負荷の筋力増強運動を行うと、神経の回復を妨げたり、筋線維の損傷を招く可能性があります。ギラン・バレー症候群のリハビリテーションは、急性期には臥床安静と呼吸管理が中心であり、回復期に入ってから段階的に負荷を上げていきます。正しくは:上下肢への他動運動による関節可動域の維持や、筋萎縮予防のための軽度な自動介助運動(もし可能であれば)。選びやすい理由:一般的な筋力低下に対するリハビリテーションとしてイメージしやすいため。混同注意:疾患の回復期における筋力増強運動との混同。
- 5. 重度の麻痺がある急性期において、過伸展を伴うストレッチは、関節や周囲組織に過度な負担をかけ、損傷のリスクを高める可能性があります。この時期は関節可動域の維持を目的に、痛みがない範囲での他動運動が推奨されます。正しくは:上下肢への痛みがない範囲での他動運動による関節可動域保持。選びやすい理由:関節の拘縮予防としてストレッチが有効であると認識されているため。混同注意:回復期や慢性期の拘縮予防目的のストレッチとの混同、あるいは過剰なストレッチと適切な関節可動域運動の区別。
国試ポイント
ギラン・バレー症候群急性期における呼吸管理と合併症予防のための理学療法。
混同注意
急性期の呼吸管理と、回復期の筋力トレーニングや機能訓練の段階を混同しない。
次に同じ論点が出たら
ギラン・バレー症候群の急性期問題が出た場合、まず呼吸状態や合併症リスクに直結する理学療法が選択肢に含まれているかを確認する。
関連知識
ギラン・バレー症候群の急性期管理では、呼吸管理(人工呼吸器管理、気道クリアランス)が最優先され、循環管理や合併症予防(深部静脈血栓症、褥瘡)も重要です。回復期には段階的な筋力トレーニングやADL訓練を行います。