Spurlingテストが陽性のとき、疑うべき疾患はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Spurlingテストは、患者の頭部を伸展・側屈・回旋させて頭頂部から圧迫を加えることで、頸椎の神経根孔を狭窄させ、神経根の刺激症状(同側の腕への放散痛やしびれ)を誘発する徒手検査です。陽性であれば、頸椎症性神経根症や頸椎椎間板ヘルニアなどによる神経根の圧迫が強く疑われます。
選択肢ごとの解説
- 1. 環軸関節の回旋位固定は、Spurlingテストでは評価されません。主に環軸関節の可動域制限や疼痛が特徴です。正しくは:この疾患を評価するには、頸椎の回旋可動域やX線画像などによる確認が必要です。選びやすい理由:頸部に異常があるという点で選択肢として挙がりやすいですが、Spurlingテストの特異性とは異なります。混同注意:他の頸部疾患や、胸鎖乳突筋などの筋肉の異常と混同されることがあります。
- 2. 正解。Spurlingテストは、頸椎の伸展、側屈、回旋によって神経根孔を狭窄させ、同側の腕への放散痛やしびれを誘発することで、頸椎神経根症の有無を評価する検査です。陽性であれば、神経根の圧迫が強く疑われます。選びやすい理由:頸部の痛みを伴う様々な疾患と混同されやすいですが、Spurlingテストは神経根症状に特化した誘発テストです。混同注意:単なる頸部痛や肩こり、頸椎椎間板ヘルニア(神経根症状を伴う場合は陽性になりうるが、より広範な病態)などと混同されることがあります。
- 3. 腰椎椎間板ヘルニアは腰部の疾患であり、下肢の症状を引き起こします。Spurlingテストは頸部の検査であり、腰部の疾患とは直接関連しません。正しくは:腰椎椎間板ヘルニアの評価には、SLRテスト(Straight Leg Raising Test)やFNSテスト(Femoral Nerve Stretch Test)など、腰部から下肢への症状を誘発する検査が行われます。選びやすい理由:椎間板ヘルニアという言葉から、神経圧迫症状を連想させやすいですが、Spurlingテストは頸部特有のものです。混同注意:ヘルニアという言葉で共通するため、頸椎ヘルニアと腰椎ヘルニアを混同しやすいです。
- 4. 腰椎分離症は腰椎の後方要素の連続性が断たれる疾患で、腰部の痛みや不安定性を引き起こしますが、Spurlingテストとは無関係です。正しくは:腰椎分離症の評価には、腰部の伸展時痛の有無や、X線写真、CTスキャンなどによる画像診断が必要です。選びやすい理由:腰部の疾患であるため、頸部と関連しないという点で除外しやすいですが、脊椎の疾患であるという共通点から迷う可能性もあります。混同注意:脊椎の構造異常である脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどと混同しやすいです。
- 5. 腰部脊柱管狭窄症は、腰部の脊柱管が狭窄し、下肢のしびれや間欠性跛行を引き起こす疾患です。Spurlingテストは頸部の検査であり、この疾患の診断には用いられません。正しくは:腰部脊柱管狭窄症の評価には、間欠性跛行の有無、神経学的所見、画像診断(MRIなど)が重要です。選びやすい理由:神経圧迫症状という点で他の選択肢と似ていますが、部位が腰部であるためSpurlingテストとは関連しません。混同注意:頸部脊柱管狭窄症と混同しやすいですが、検査法はそれぞれ異なります。
国試ポイント
徒手検査の目的と陽性所見が示唆する疾患の関係性を正確に理解しているかを問う問題です。特に、検査部位と対応する疾患部位を混同しないことが重要です。
混同注意
他の頸部疾患(例:頸部捻挫、筋筋膜性疼痛)や、部位の異なる神経根症(例:腰椎神経根症)を誘発するテスト(例:SLRテスト)と混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、徒手検査の名称とそれがターゲットとする部位(頸部、肩、腰部、股関節など)、評価する構造(神経根、関節、靭帯、筋肉など)、そして陽性所見が示唆する代表的な疾患を関連付けて正確に覚えているかが問われるでしょう。
関連知識
Spurlingテストの他に、頸椎の神経学的検査としてJacksonテスト、疼痛圧迫テスト、腕神経叢牽引テストなどがあります。腰椎の神経根症状を評価する検査としては、Straight Leg Raising (SLR)テスト、FNSテスト、Bowstringテストなどがあります。それぞれの検査の目的、方法、陽性所見、そしてそれが示唆する疾患を区別して理解しておく必要があります。