Bennett骨折を生じるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Bennett骨折は、第1中手骨(親指の中手骨)の基部、特に母指手根中手関節(CM関節)内の関節内骨折を指します。特徴として、斜骨折であり、短母指外転筋が付着する部分の骨片が亜脱臼を伴うことが挙げられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 月状骨骨折は別のタイプの骨折であり、Bennett骨折とは異なる部位に生じます。正しくは:月状骨骨折は、高所からの転落など強い衝撃で起こりやすい手根骨の骨折です。選びやすい理由:手関節周辺の骨であるため、手根骨の選択肢として考えやすいかもしれません。混同注意:他の手根骨の骨折や、末節骨の槌指(マレットフィンガー)などと混同しやすいです。
- 2. 尺骨は前腕の骨であり、Bennett骨折の発生部位ではありません。正しくは:尺骨の骨折は主に前腕の骨折として発生します。例えばMonteggia骨折は尺骨骨折と橈骨頭脱臼の複合損傷です。選びやすい理由:手関節に近い骨であるため、手関節周辺の損傷として関連づけてしまう可能性があります。混同注意:橈骨遠位端骨折(Colles骨折など)や、Monteggia骨折、Galeazzi骨折などの前腕骨折と混同しやすいです。
- 3. 舟状骨骨折は手根骨で最も頻度が高い骨折ですが、Bennett骨折とは異なるタイプの損傷です。正しくは:舟状骨骨折は、手首の過伸展(転倒して手をつくなど)で起こりやすく、血行障害による偽関節のリスクが高いです。選びやすい理由:手関節周辺の骨折として非常に有名で、試験にも頻出するため、選択肢として目を引きやすいです。混同注意:他の手根骨の骨折や、遠位橈骨骨折などと混同しやすいです。
- 4. 正解。Bennett骨折は、第1中手骨(親指の中手骨)の基部関節内骨折です。母指CM関節の亜脱臼を伴う特徴的な骨折です。混同注意:Rolando骨折(第1中手骨基部の粉砕骨折)と混同しやすいですが、Bennett骨折は関節内斜骨折で2つの骨片に分かれるのが特徴です。
- 5. 橈骨は前腕の骨であり、Bennett骨折の発生部位ではありません。橈骨遠位端骨折は手首の代表的な骨折ですが、Bennett骨折とは異なります。正しくは:橈骨の骨折は主に前腕の骨折として発生します。最も一般的なのはColles骨折(コーレス骨折)で、橈骨遠位端の背側転位を伴います。選びやすい理由:手首の骨折として最も有名であり、問題文で手関節周辺の損傷が問われていると誤解しやすいためです。混同注意:Colles骨折やSmith骨折などの橈骨遠位端骨折、Galeazzi骨折などの前腕骨折と混同しやすいです。
国試ポイント
骨折の名称と発生部位の組み合わせは、国家試験で頻繁に問われる基本的な知識です。特に特徴的な骨折(Bennett骨折、Colles骨折、舟状骨骨折など)については、その発生機序や合併症についても理解しておく必要があります。
混同注意
第1中手骨基部骨折には、Bennett骨折の他にRolando骨折があります。Rolando骨折はT字型またはY字型の粉砕骨折であり、Bennett骨折が2つの骨片に分かれるのに対し、より重度な損傷形態です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、他の特徴的な骨折(例: Colles骨折、Monteggia骨折、舟状骨骨折)の発生部位、発生機序、特徴的な症状、合併症などが問われる可能性が高いです。また、骨折の分類や診断基準(例: 関節内骨折か関節外骨折か)も重要です。
関連知識
母指CM関節は、鞍関節であり、大きな可動域を持つ一方で不安定性も抱えています。Bennett骨折は、この関節の不安定性と骨片の牽引力によって亜脱臼を伴います。治療としては、徒手整復後にギプス固定や、K-wireを用いた経皮的ピンニングが行われることがあります。