フレイルの指標とサルコペニアの評価で共通する項目はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
フレイルとサルコペニアは高齢者に多く見られる病態であり、それぞれ独自の診断基準があります。フレイルの診断基準(Friedの基準)は、1.意図しない体重減少、2.握力低下、3.疲労感、4.歩行速度低下、5.身体活動量低下の5項目中3項目以上で該当。サルコペニアの診断基準(EWGSOPやAWGSなど)は、筋力低下(握力など)、筋肉量減少、身体機能低下(歩行速度など)を主要な項目としています。この中で、握力低下と歩行速度低下は両者に共通して用いられる項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。握力は、フレイルの診断基準である「身体活動量の低下」や「筋力低下」の一部として、またサルコペニアの診断基準である「筋力低下」の主要な指標として両者に共通して用いられます。
- 2. 意図しない体重減少は、フレイルの診断基準の一つですが、サルコペニアの診断基準には含まれません。サルコペニアは主に筋肉量と筋力に焦点を当てます。正しくは:これはフレイルの主要な指標の一つであり、サルコペニアでは直接的な診断基準ではありません。選びやすい理由:フレイルとサルコペニアは関連が深いため、体重減少がどちらにも当てはまると考えやすいですが、定義上は異なります。混同注意:フレイルの5項目(体重減少、握力低下、疲労感、歩行速度低下、身体活動量低下)とサルコペニアの3項目(筋力低下、身体機能低下、筋肉量減少)を混同しやすいです。
- 3. 正解。歩行速度は、フレイルの診断基準である「身体能力の低下」の指標として、またサルコペニアの診断基準である「身体機能低下」の主要な指標として両者に共通して用いられます。
- 4. 自覚的な疲労感の増加はフレイルの診断基準の一つですが、サルコペニアの診断基準には含まれません。サルコペニアは客観的な筋力や身体機能の低下を重視します。正しくは:これはフレイルの指標の一つであり、サルコペニアの診断基準ではありません。選びやすい理由:フレイルの診断基準項目であるため、セットで覚えがちですが、サルコペニアとは異なります。混同注意:フレイルの診断基準の構成要素とサルコペニアの診断基準の構成要素を区別できていない場合に誤りやすいです。
- 5. 日常生活活動(ADL)の低下は、フレイルやサルコペニアによって引き起こされる結果であり、それ自体が両者の診断基準として共通に用いられる主要な項目ではありません。フレイルでは「身体活動量の低下」が指標とされますが、これはADLの低下とは直接的・排他的なものではありません。正しくは:ADL低下はフレイルやサルコペニアの進行によって生じますが、診断基準に直接含まれる共通項目ではありません。選びやすい理由:高齢者の状態を評価する上でADLは非常に重要な指標であるため、フレイルやサルコペニアと関連が深いと思い込みやすいです。混同注意:フレイルやサルコペニアによる機能障害全体と、その診断基準項目を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、フレイルとサルコペニアそれぞれの診断基準を正確に理解し、共通する項目を見極める知識が問われています。診断基準の構成要素だけでなく、それぞれの病態が何を主な対象としているかを理解することが重要です。
混同注意
フレイルの診断基準の5項目と、サルコペニアの診断基準の主要項目(筋力、筋肉量、身体機能)を正確に覚えていないと、混同しやすいです。特に、体重減少や疲労感はフレイルに特徴的ですが、サルコペニアの直接的な診断項目ではありません。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、それぞれの診断基準の具体例(例:握力のカットオフ値)や、どちらか一方に特異的な項目(例:筋肉量減少はサルコペニアのみ)が問われる可能性があります。
関連知識
フレイルとサルコペニアの関係性(サルコペニアはフレイルの一因となることが多い)、各診断基準の具体的なカットオフ値(例:握力、歩行速度)、およびそれぞれの病態がリハビリテーション介入にどう影響するかについても理解が求められます。