脳腫瘍とその症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
下垂体腺腫が大きくなると、視交叉を圧迫し、両耳側半盲を呈することが典型的な症状です。これは、視交叉の内側線維が両耳側視野の情報伝達に関与しているためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。下垂体腺腫が大きくなると、視交叉を圧迫し、両耳側半盲を引き起こすことがあります。これは、視交叉の内側を横切る線維が両耳側からの視野情報を伝達しているためです。
- 2. 視神経膠腫の主な症状は視力低下、眼球突出など視機能に関連するものです。てんかん発作は、大脳皮質の障害や刺激によって生じることが多く、視神経膠腫の典型的症状ではありません。正しくは:視神経膠腫の主な症状は、視力低下や眼球突出など、視機能障害です。選びやすい理由:脳腫瘍であれば何らかの中枢神経症状が出ると考える点で、てんかん発作も選択肢として考慮してしまうかもしれません。混同注意:他の脳腫瘍(例:大脳皮質に発生する神経膠腫など)でてんかん発作が生じるケースと混同しやすいです。視神経膠腫は視神経に発生するため、直接てんかんを引き起こすことは稀です。
- 3. 髄芽腫は主に小脳に発生する悪性腫瘍で、歩行障害、平衡感覚障害、水頭症による頭蓋内圧亢進症状(頭痛、嘔吐)などが主な症状です。下垂体機能不全は、下垂体やその周辺の腫瘍(例:下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫)によって引き起こされます。正しくは:髄芽腫の主な症状は、運動失調、水頭症による頭蓋内圧亢進症状などです。選びやすい理由:脳腫瘍全般として漠然と内分泌系の機能不全も起こりうると考える場合、選んでしまう可能性があります。混同注意:脳腫瘍の種類と発生部位、それに伴う特異的な症状の関連性を理解していないと、下垂体機能不全がどの腫瘍と関連するかを判断できません。
- 4. 聴神経腫瘍は第VIII脳神経に発生する良性腫瘍で、片側の難聴、耳鳴り、めまい、顔面神経麻痺などが主な症状です。尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH)の分泌不全や腎臓での作用不全によって生じる疾患で、下垂体後葉や視床下部の障害と関連します。聴神経腫瘍が直接尿崩症を引き起こすことはありません。正しくは:聴神経腫瘍の主な症状は、一側性難聴、耳鳴り、平衡感覚障害などです。選びやすい理由:「脳」という広範な部位の病変であるため、様々な症状が関連しうると誤解し、尿崩症もその一つとして考えてしまう可能性があります。混同注意:脳の構造や各部位の機能、関連するホルモンとその分泌部位に関する知識が不十分だと、どの腫瘍がどの内分泌障害を引き起こすのかを区別できません。
- 5. 頭蓋咽頭腫はトルコ鞍上部に発生し、下垂体機能障害(成長障害、性腺機能低下など)、視力障害(両耳側半盲など)、水頭症による頭蓋内圧亢進症状などが主な症状です。難聴は聴神経腫瘍や小脳橋角部腫瘍などで見られますが、頭蓋咽頭腫の典型的な症状ではありません。正しくは:頭蓋咽頭腫の主な症状は、下垂体機能不全、視力障害、頭蓋内圧亢進症状などです。選びやすい理由:脳の近くに発生する腫瘍であるため、聴覚にも影響が出ると漠然と考えてしまう可能性があります。混同注意:聴神経腫瘍による難聴と、頭蓋咽頭腫の症状を混同しやすいです。それぞれの腫瘍の発生部位と、それに伴う神経機能障害を正確に理解しておく必要があります。
国試ポイント
脳腫瘍の種類と、その発生部位から予測される典型的な神経学的症状や内分泌症状の関連性を問う問題です。特に、特定の腫瘍と非常に特徴的な症状の組み合わせを正確に覚えているかが鍵となります。
混同注意
脳腫瘍と関連する症状は多岐にわたるため、それぞれの腫瘍の発生部位、周囲構造との関係、およびそれによって引き起こされる特異的な症状(視覚障害、聴覚障害、内分泌機能障害、運動機能障害など)を正確に区別することが難しいです。特に、下垂体周囲に発生する腫瘍と視交叉圧迫による視覚障害の関連性は重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各脳腫瘍(髄膜腫、神経膠腫、転移性脳腫瘍など)の好発部位と、それによって生じる代表的な症候群を正確に判断できるかを確認しましょう。特に、頭蓋内圧亢進症状、局所神経症状、内分泌症状のそれぞれがどの腫瘍と強く関連するかを意識して学習すると良いでしょう。
関連知識
各脳腫瘍の発生部位、病理学的特徴、成長様式、およびそれらが周囲の脳組織や神経、内分泌器官に与える影響を理解することが重要です。特に、視交叉、視床下部、下垂体、脳神経などの解剖学的位置関係とその機能が問われます。例えば、下垂体機能不全に関連するホルモン(ADH、成長ホルモン、性腺刺激ホルモンなど)とその症状も関連知識として必要です。