69歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症から4週が経過。Brunnstrom 法ステージは上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅲ。移乗とトイレ動作は手すりを使用して自立、車椅子駆動は自立している。歩行は短下肢装具とT字杖を使用して軽介助が必要であり、病棟では車椅子で移動している。病室を図に示す。この患者に適切なのはどれか。
画像の選択肢を選ぶと答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
患者は右片麻痺で、右側を支持に使用できないため、移乗やトイレ動作で手すりを使用する際は左側に手すりがある方が安全である。図ではトイレの左側に手すりがあり、ベッドからトイレへの導線も考慮すると、患者の能力に合致している。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者は右片麻痺であり、トイレ移乗の際に健側である左側で手すりを把持する方が安全である。図のトイレは左側に手すりがあり、適切である。選びやすい理由:図からトイレに手すりがあることは読み取れるものの、左右どちらに設置されているか、それが患者の麻痺側とどのように関連するかを詳細に検討しないと、適切性の判断が難しい。混同注意:手すりがあれば良いという一般的な認識と、麻痺側に合わせた具体的な手すりの配置の必要性。
- 2. 患者は右片麻痺であり、健側である左側で手すりを把持して移乗・トイレ動作を行うのが安全である。図のトイレは左側に手すりがあり、右側にはないため、この選択肢は適切ではない。正しくは:この図のトイレ配置は患者の右片麻痺に対して適切である。選びやすい理由:図ではトイレの左側に手すりがあるが、選択肢が「右側手すりを使用」を不適切としている場合、図と選択肢の記述の対応関係を誤解する可能性がある。混同注意:手すりの左右の設置状況と、患者がどちらの手すりを使用するかという判断の混同。
- 3. 患者は右片麻痺であり、右側を支持に使用できないため、健側である左側で手すりを把持するのが適切である。図ではトイレの左側に手すりがあるため、この選択肢は適切である。選びやすい理由:トイレが部屋の奥にあるため、車椅子でのアクセス経路が複雑に見えるかもしれないが、患者は車椅子駆動自立であり、導線自体は可能である。手すりの位置が患者のニーズと合致している点を見落としやすい。混同注意:部屋のレイアウト全体の複雑さと、手すり設置の適合性。
- 4. 患者は右片麻痺であり、健側である左側で手すりを把持して移乗・トイレ動作を行うのが安全である。図ではトイレの左側に手すりがあり、右側にはないため、この選択肢は適切ではない。正しくは:この図のトイレ配置は患者の右片麻痺に対して適切である。選びやすい理由:ベッドからトイレへの動線上に他の設備がないかを確認しようとするが、重要なのは手すりの配置が患者の麻痺状況に合っているかという点である。混同注意:動線上の障害物の有無と、手すりの適合性の混同。
- 5. 正解。患者は右片麻痺であり、トイレ動作時に健側である左側で手すりを把持する方が安全である。図を見ると、トイレの左側に手すりが設置されており、患者の麻痺状況に適しているため、この配置は患者にとって適切である。選びやすい理由:患者の身体能力と環境の適合性を総合的に判断する問題であるため、各情報の関連付けが複雑に感じられる可能性がある。しかし、最も重要なのは麻痺側と手すりの配置の適合である。混同注意:部屋全体の構造の良し悪しと、患者の動作に直結する福祉用具の配置の適切性。
国試ポイント
脳卒中片麻痺患者の身体機能と住宅環境整備・福祉用具選択の関連性を理解しているか。
混同注意
麻痺側と健側の区別が曖昧な場合、手すりの設置方向を誤解しやすい。また、患者の移動能力(車椅子自立、歩行軽介助)と、その移動経路上の環境整備の必要性を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず患者の麻痺側(左右)を確認し、次にADLレベルと、対象となる動作(移乗、歩行など)に必要な支持方向(健側)を判断して環境整備を考える。
関連知識
脳卒中片麻痺患者の身体機能評価(Brunnstrom法ステージ、ADLレベル)、生活環境における安全性の確保、福祉用具(手すり、車椅子、装具、杖)の選択基準、動線計画。