安静時の呼吸運動で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
安静時の吸気では、横隔膜が収縮して下降し、胸腔の容積を増大させます。これにより胸腔内圧が低下し、大気が肺に流れ込みます。
選択肢ごとの解説
- 1. 安静時の呼気は主に横隔膜や外肋間筋の弛緩による受動的な運動であり、腹圧は通常上昇しません。努力呼気時には腹筋が収縮し腹圧が上昇しますが、安静時は当てはまりません。正しくは:息を吐き出す際、腹部の圧力は通常ほとんど変化しないか、わずかに低下します(努力呼気では上昇します)。選びやすい理由:努力呼気時の現象と混同しやすい。混同注意:努力呼吸と安静呼吸の違い。
- 2. 正解。横隔膜は主な吸気筋であり、収縮することで平坦化し、下方へ移動します。これにより胸腔内容積が増加し、吸気が可能になります。選びやすい理由:基本的な生理学の知識を問うため、正確な理解があれば選択しやすい。混同注意:特に混同しやすい点はないが、呼吸筋の作用に関する基本的な知識が問われる。
- 3. 外肋間筋は吸気筋であり、収縮することで肋骨を引き上げ、胸郭を拡大させます。呼気時には弛緩します。正しくは:息を吐き出す際、外肋間筋は弛緩します。選びやすい理由:内外肋間筋の機能混同や、努力呼吸との混同。混同注意:外肋間筋と内肋間筋の作用、吸気と呼気の主動筋。
- 4. 吸気時には気道が拡張し、気道抵抗は通常減少します。これにより空気が肺へスムーズに流入します。気道抵抗が上昇すると、吸気は困難になります。正しくは:息を吸い込む際、気道抵抗は通常減少します。選びやすい理由:空気の流入に伴う物理的な摩擦などを想像し、抵抗が増加すると誤解する可能性。混同注意:気道開存性と抵抗の関係。病態時(例:喘息)の呼吸生理。
- 5. 胸郭下部(主に肋骨弓部)の動きは、バケツの取手運動(bucket handle movement)と呼ばれ、主に左右方向への拡大が特徴です。これに対し、胸郭上部はポンプの取手運動(pump handle movement)で前後方向の動きが大きいです。正しくは:胸郭下部は、左右方向の動きが前後方向より活発です。選びやすい理由:胸郭全体の動きや、胸郭上部の動きと混同しやすい。混同注意:ポンプハンドル運動とバケットハンドル運動の違い、胸郭各部位の動きの特性。
国試ポイント
呼吸運動のメカニズム、特に安静時呼吸における主要な呼吸筋の作用と胸郭の動きに関する基本的な知識が問われる。選択肢には努力呼吸や病態時の生理、胸郭の運動学と混同させるような内容が散りばめられている。
混同注意
努力呼吸と安静呼吸の違い、吸気筋と呼気筋の混同、胸郭上部と下部の動きの混同。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、吸気と呼気の主動筋・補助筋、それぞれの筋が収縮・弛緩した際の胸郭の動きや内圧変化、そしてそれが肺換気にどう影響するかを確認する。また、胸郭の各部位(上部、下部)で主要な運動方向が異なる点も問われやすい。
関連知識
主要な吸気筋(横隔膜、外肋間筋)と呼気筋(内肋間筋、腹筋群など)の機能。ポンプハンドル運動とバケットハンドル運動。気道の抵抗に影響を与える因子。肺活量測定や呼吸パターン観察の臨床応用。