生後4か月の乳児。健診で股関節の異常を指摘された。来院時に右股関節の開排制限を認めたため、股関節のエックス線単純検査を行った。 股関節の図を示す。臼蓋角はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
臼蓋角(acetabular angle)は、Y軟骨を結ぶ線(水平線)と臼蓋外側縁を結ぶ線がなす角度を指します。この角度は、臼蓋の発育不全や臼蓋形成不全の評価に用いられ、乳児期の股関節脱臼の診断において重要な指標の一つです。選択肢5の「e」は、この定義に合致しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 「a」は、股関節の頸体角(neck-shaft angle)を示しています。これは大腿骨の骨幹軸と大腿骨頚部の軸がなす角度であり、臼蓋角ではありません。正しくは:頸体角選びやすい理由:股関節に関する様々な角度の一つであるため、迷いやすい可能性があります。混同注意:臼蓋角、前捻角
- 2. 「b」は、大腿骨前捻角(femoral antetorsion angle)を示しています。これは大腿骨頚部と顆部を結ぶ線がなす角度で、水平面での大腿骨のねじれを表しており、臼蓋角ではありません。正しくは:大腿骨前捻角選びやすい理由:股関節に関する重要な角度の一つであるため、誤って選択する可能性があります。混同注意:臼蓋角、頸体角
- 3. 「c」は、CE角(center-edge angle)を示しています。これは大腿骨頭の中心から引いた垂直線と大腿骨頭の中心と臼蓋外側縁を結ぶ線がなす角度で、臼蓋の被覆状態を評価するものであり、臼蓋角とは異なります。正しくは:CE角選びやすい理由:股関節の安定性評価に用いられる角度であり、臼蓋角と目的が似ているため混同しやすいです。混同注意:臼蓋角
- 4. 「d」は、股関節の内反・外反変形を示す指標の一つである大腿骨の弯曲度や、大腿骨頭の骨端線すべり症などで計測される変形に関連する部位を示唆していますが、臼蓋角ではありません。正しくは:具体的な名称は不明だが、臼蓋角ではない選びやすい理由:図中に示されているが、他の主要な角度と比較して知名度が低いため、誤って選択しやすい可能性があります。混同注意:特に他の一般的な角度とは直接混同しにくいが、漠然と股関節の角度と捉えやすい
- 5. 正解。「e」は、Y軟骨を結ぶ水平線と臼蓋外側縁を結ぶ線がなす角度を示しており、これが臼蓋角の定義と一致します。
国試ポイント
股関節の発育評価における各種計測角度とその名称を正確に覚えること。特に、臼蓋角、CE角、頸体角、前捻角は頻出である。
混同注意
臼蓋角(acetabular angle)とCE角(center-edge angle)は、股関節の安定性評価に用いられる点が似ているため混同しやすいですが、計測方法が異なります。臼蓋角は臼蓋の発育不全を評価する乳児期に用いられることが多く、CE角は成人期の臼蓋形成不全や股関節不安定性を評価する際に用いられます。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まずY軟骨を結んだ水平線が描かれているかを確認し、次にその水平線と臼蓋外側縁を結ぶ線が示す角度がどれであるかを判断します。
関連知識
Y軟骨線は、小児の骨盤X線写真において、腸骨、恥骨、坐骨が結合する部分に見られる軟骨の透過像を結んだ線であり、股関節の計測における基準線として重要です。正常な臼蓋角は乳児期には約20〜30度程度ですが、成長とともに角度が小さくなります。