70歳の女性。両側変形性膝関節症。外来通院中である。自宅におけるADLは、FIMによる評価で、2項目(歩行・車椅子および階段)はT字杖を使用しての自立であったが、それ以外は補助具を使用せずに自立していた。コミュニケーション(理解、表出)や社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)は問題ない。FIMの点数はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
FIMは全18項目から成り、各項目1点(全介助)から7点(完全自立)で評価されます。本ケースでは、運動13項目と認知5項目の合計点数を算出します。設問の記述から、まず認知5項目は全て「問題ない」とされているため、それぞれ7点(完全自立)です。合計で7点 × 5項目 = 35点となります。次に運動13項目について、T字杖を使用して自立している「歩行」と「階段」の2項目は、補助具を使用しているため修正自立の6点と評価されます。残りの11項目は「補助具を使用せずに自立」とあるため、完全自立の7点と評価されます。したがって、運動項目は(6点 × 2項目) + (7点 × 11項目) = 12点 + 77点 = 89点となります。これらを合計すると、認知項目35点 + 運動項目89点 = 124点となります。
選択肢ごとの解説
- 1. FIMの点数計算が誤っています。正しい合計点は124点です。正しくは:運動13項目中、「歩行」と「階段」の2項目はT字杖を使用しているため6点、残りの11項目は補助具なしで自立しているため7点となります。認知5項目は全て7点です。合計すると(6×2) + (7×11) + (7×5) = 12 + 77 + 35 = 124点です。選びやすい理由:FIMの点数計算は項目数が多いため、一部の項目で誤った点数を設定したり、介助レベルの判断を間違えたりすると、このような数字になることがあります。例えば、杖使用を5点と誤解した場合などが考えられます。混同注意:FIMの修正自立(6点)と最小介助(5点)の定義を混同している可能性があります。
- 2. FIMの点数計算が誤っています。正しい合計点は124点です。正しくは:運動13項目中、「歩行」と「階段」の2項目はT字杖を使用しているため6点、残りの11項目は補助具なしで自立しているため7点となります。認知5項目は全て7点です。合計すると(6×2) + (7×11) + (7×5) = 12 + 77 + 35 = 124点です。選びやすい理由:運動項目や認知項目の一部を低く見積もったり、誤った介助レベルに設定したりした場合に、この点数になる可能性があります。例えば、杖使用の2項目をそれぞれ5点と誤解すると、77 + 10 + 35 = 122点となり、さらに他の項目で誤りがあった場合に近くなります。混同注意:FIMにおける修正自立(6点)と軽度介助(5点)の基準を誤解している可能性があります。
- 3. FIMの点数計算が誤っています。正しい合計点は124点です。正しくは:運動13項目中、「歩行」と「階段」の2項目はT字杖を使用しているため6点、残りの11項目は補助具なしで自立しているため7点となります。認知5項目は全て7点です。合計すると(6×2) + (7×11) + (7×5) = 12 + 77 + 35 = 124点です。選びやすい理由:運動項目で杖を使用しているのに7点と誤解した項目がある場合や、「歩行・車椅子」の評価方法を誤解し、どちらか一方だけを6点、もう一方を7点と計算した場合に、このような数字になる可能性があります。例えば、歩行のみ6点、階段は7点と誤解すると126-1=125、あるいは、運動の1項目だけ6点、認知を全て7点とすると13*7-1+5*7=91-1+35=125-1=124というように、計算ミスが生じやすいです。混同注意:FIMにおける修正自立(6点)と完全自立(7点)の判断基準、特に補助具使用の解釈を間違えている可能性があります。
- 4. 正解。FIMの評価基準に基づき、点数を以下のように算出します。運動13項目中、「歩行」と「階段」の2項目はT字杖を使用しているため修正自立(6点)と評価されます。残りの11項目は補助具なしで自立しているため、完全自立(7点)と評価されます。認知5項目(理解、表出、社会的交流、問題解決、記憶)は全て問題ないため、完全自立(7点)と評価されます。これらの点数を合計すると、運動項目は(6点 × 2項目) + (7点 × 11項目) = 12点 + 77点 = 89点。認知項目は(7点 × 5項目) = 35点。総合計は89点 + 35点 = 124点となります。
- 5. FIMの合計最高点は126点ですが、この設問ではT字杖を使用している項目があるため、全ての項目が完全自立(7点)であるとは言えません。正しくは:T字杖を使用している「歩行」と「階段」の項目は、修正自立の6点として評価する必要があります。したがって、全ての項目が7点となる126点ではありません。選びやすい理由:「自立」という言葉に注目し、補助具の使用を見落としてしまうと、全ての項目を完全自立の7点と誤って判断し、最高点の126点を選んでしまう可能性があります。混同注意:FIMにおける「完全自立(7点)」と「修正自立(6点)」の厳密な定義、特に補助具を使用している場合は「修正自立」となるというルールを混同している可能性があります。
国試ポイント
FIMの点数付けの正確な理解、特に「完全自立(7点)」と「修正自立(6点)」の区別が問われています。補助具の使用が修正自立(6点)に該当するというFIM評価の基本ルールを把握しているかが重要です。また、FIMの全項目数と、運動項目・認知項目の内訳を理解していることも前提となります。
混同注意
FIMにおける「完全自立(7点)」と「修正自立(6点)」の定義。補助具(例:杖)を使用している場合でも「自立」という言葉から7点と判断しがちですが、FIMでは補助具使用は修正自立(6点)と評価されます。介助量と補助具使用の区別も混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次回、FIMに関する問題が出題された場合は、まず患者のADLが「誰かの介助を必要としているか」「補助具を使用しているか」「時間や安全に配慮が必要か」という点に注目して、完全自立(7点)か修正自立(6点)か、あるいは介助レベル(5点以下)かを判断します。特に、「自立」という言葉だけでなく、その内容(補助具の有無など)を詳細に確認することが重要です。
関連知識
FIMの評価項目(食事、整容、入浴、更衣上半身、更衣下半身、排泄管理、膀胱管理、腸管理、ベッド・椅子・車椅子移乗、トイレ移乗、浴槽・シャワー移乗、歩行・車椅子、階段、理解、表出、社会的交流、問題解決、記憶)、各項目の具体的な評価基準(7段階の点数ごとの詳細な定義)、FIMの目的、信頼性・妥当性、国際的な利用状況、最小介助、中等度介助、最大介助、全介助の定義と点数。