運動計画で外的刺激情報を反映した運動の準備に最も関わるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
運動前野は、視覚や聴覚などの外部からの感覚情報を取り込み、それに基づいて適切な運動を計画し、実行に備える役割を担っています。特に、環境への適応や道具の使用、他者の行動の観察と模倣といった、外部刺激に大きく依存する運動機能に深く関与します。これは、内部的な動機に基づく運動計画を主とする補足運動野との明確な違いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 小脳は運動の協調性、バランス、姿勢制御、運動学習に関与しますが、外部刺激に基づく運動計画そのものよりも、運動の円滑な実行や微調整に主に働きます。正しくは:小脳は運動の協調性や平衡感覚の維持、運動学習において重要な役割を果たします。選びやすい理由:運動制御全体に関わるため、広く運動に関する質問だと選択肢として魅力的です。混同注意:大脳皮質での計画や指令と、小脳の運動調節機能を混同しやすいです。
- 2. 正解。運動前野は、視覚や聴覚といった外部からの感覚情報に基づいて運動を計画し、それに応じた適切な運動を準備する機能が主要です。特に、環境に応じた運動の選択や、道具の使用など、外部からの手がかりに大きく依存する運動に関わります。
- 3. 一次運動野は、運動前野や補足運動野からの指令を受け、実際に筋肉を動かすための最終的な運動指令を出力する部位です。運動の「準備」や「計画」よりも、運動の「実行」に直接関わります。正しくは:一次運動野は、随意運動の最終的な指令を出力し、運動を実行します。選びやすい理由:「運動」という言葉から直接的に連想されやすいです。混同注意:運動の計画と実行の段階を混同しやすいです。
- 4. 大脳基底核は、運動の開始・停止の制御、運動の抑制、運動の強さや速さの調節、そして運動学習に関与します。しかし、外部刺激に基づいた運動の「計画」や「準備」を直接的に担う主要な部位ではありません。正しくは:大脳基底核は、運動の開始や停止、運動の抑制、強さ・速さの調節など、運動の実行を調整する役割を担います。選びやすい理由:運動全体に深く関与するため、選択肢として選びやすいです。混同注意:運動の「調整」機能と「計画」機能を混同しやすいです。
- 5. 補足運動野は、内部的な動機や記憶に基づいて運動を計画する際に重要な役割を果たします。特に、一連の動作の順序付けや両側性の運動、そして想像上の運動などに関わりますが、問題文にあるような「外部からの感覚情報」に基づく運動計画には、運動前野ほど直接的かつ主要には関与しません。正しくは:補足運動野は、自己の意思や記憶に基づいた運動の計画、特に系列的な運動や両側性の運動の準備に重要な役割を果たします。選びやすい理由:運動の「計画」や「準備」に関わるため、正答に思えやすいです。混同注意:内部情報に基づく計画(補足運動野)と外部情報に基づく計画(運動前野)の違いを混同しやすいです。
国試ポイント
大脳皮質の各運動関連領域(一次運動野、運動前野、補足運動野)や小脳、大脳基底核がそれぞれどのような運動機能に特化しているかを理解しているか問われます。特に、運動の「計画」と「実行」の段階、そして「内部情報」と「外部情報」のどちらに基づいて運動が準備されるかの違いを区別できるかが重要となります。
混同注意
補足運動野と運動前野の機能は「運動の準備」という点では共通しますが、その情報源(内部 vs 外部)が異なります。また、運動の「計画」と「実行」を混同すると一次運動野を選択しやすくなります。
次に同じ論点が出たら
同じ論点が出た場合、今度は「内部的動機に基づく運動の準備に最も関わるのはどれか」と問われる可能性があります。また、「運動の実行に直接関わるのはどれか」や、「運動の協調性や平衡に最も関わるのはどれか」といった、他の部位の機能に焦点を当てた問題が出題されることも考えられます。
関連知識
一次運動野: 随意運動の実行、皮質脊髄路の起点。補足運動野: 内部要因に基づく運動計画、系列運動、両側性運動。運動前野: 外部要因に基づく運動計画、道具使用、ミラーニューロンシステム。小脳: 運動の協調、平衡、運動学習、エラー修正。大脳基底核: 運動の開始・停止、抑制、強さ・速さの調節、運動学習。