深部感覚障害で陽性となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ロンベルグ徴候は、視覚情報を遮断(閉眼)した際に平衡保持が困難になる状態を示します。これは、平衡感覚を保つために必要な3つの要素(視覚、前庭覚、深部感覚/固有受容覚)のうち、深部感覚(固有受容覚)が障害されている場合に、視覚という代償機能が失われることで顕著になるためです。深部感覚路の障害、例えば脊髄後索障害などで陽性となります。
選択肢ごとの解説
- 1. バレー徴候は、錐体路障害、特に軽度の運動麻痺(下肢の不全麻痺)を評価する際に用いられる徴候であり、深部感覚障害とは直接関係がありません。正しくは:上肢または下肢の軽度な運動麻痺(不全麻痺)を評価する徴候です。選びやすい理由:徴候の名前なので、漠然とした知識だと混同しやすいことがあります。混同注意:下肢挙上試験や回内回外試験など、他の運動麻痺関連の徴候と混同しやすいです。
- 2. ケルニッヒ徴候は、髄膜刺激症状(髄膜炎やくも膜下出血など)を示す徴候であり、股関節と膝関節の他動的な伸展に伴う疼痛や抵抗を評価します。深部感覚障害とは関係がありません。正しくは:髄膜刺激症状を評価する徴候です。選びやすい理由:中枢神経系の異常を示す徴候の一つなので、知識が曖昧だと選びそうになる可能性があります。混同注意:ブルジンスキー徴候(これも髄膜刺激症状)と混同しやすいです。
- 3. ラセーグ徴候は、坐骨神経の刺激症状や腰椎椎間板ヘルニアなどによる神経根圧迫を示唆する徴候であり、下肢伸展挙上試験として知られています。深部感覚障害とは関係がありません。正しくは:坐骨神経刺激症状や神経根圧迫を評価する徴候です。選びやすい理由:下肢の感覚異常を伴うこともあるため、深部感覚障害と関連づけて考えてしまう可能性があります。混同注意:FNP徴候(大腿神経伸展テスト)やブラガード徴候(ラセーグ徴候の変法)と混同しやすいです。
- 4. 正解。ロンベルグ徴候は、深部感覚(固有受容覚)の障害により、視覚からの情報が遮断されると平衡保持が困難になる状態を示します。深部感覚路が障害されると陽性となります。
- 5. カーテン徴候は、咽頭麻痺や迷走神経麻痺を評価する徴候であり、発声時に咽頭後壁が麻痺していない健側へ偏位する現象を指します。嚥下機能や構音機能に関わるもので、深部感覚障害とは関係がありません。正しくは:咽頭麻痺や迷走神経麻痺を評価する徴候です。選びやすい理由:咽頭は体の深部に位置するため、名称から漠然と深部感覚を連想してしまう可能性があります。混同注意:構音障害や嚥下障害に関連する他の神経学的徴候(例:舌偏位など)と混同しやすいです。
国試ポイント
各神経学的徴候が示す病態や評価対象を正確に理解しているか。特に、平衡機能の維持に必要な感覚器と、その障害によって出現する代表的な徴候を結びつけられるか。
混同注意
平衡機能障害に関わる他の徴候(例:小脳性運動失調における閉眼でも悪化しないふらつき、前庭機能障害)や、各徴候の名前と関連疾患・病態の組み合わせについて混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
問題文が「平衡機能の障害」なのか「感覚の障害」なのか、その中でも「深部感覚」に限定されているのかを正確に確認する。提示された徴候が、どの神経経路や部位の障害と関連しているかを速やかに判断できるか。特に、感覚系の徴候か運動系の徴候か、あるいは髄膜刺激症状かを区別する能力が問われます。
関連知識
深部感覚の経路(脊髄後索・内側毛帯路)、平衡機能のメカニズム(視覚、前庭覚、深部感覚の統合)、各徴候の検査方法とその陽性所見の意味、中枢神経疾患における主要な神経学的徴候とその鑑別。