慢性腎臓病で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
血清クレアチニンは筋肉の代謝産物であるため、その値は筋肉量に強く影響されます。例えば、筋肉量の少ない高齢者や女性では、腎機能が低下していてもクレアチニン値が比較的低いことがあります。このため、腎機能評価においては血清クレアチニン値だけでなく、eGFRなど他の指標と合わせて総合的に判断することが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 慢性腎臓病は、加齢とともに発症リスクが高まることが知られており、高齢者に多い疾患です。正しくは:慢性腎臓病は高齢者に多く見られる疾患である。選びやすい理由:生活習慣病の一つとして認識されがちですが、特に高齢化社会において患者数が増加しています。混同注意:急性腎障害など、若い世代でも発症する腎疾患と混同しやすいかもしれません。
- 2. 正解。クレアチニンは筋肉の代謝産物であり、その生成量は筋肉量に比例するため、血清クレアチニン値は筋肉量の影響を強く受けます。このため、高齢者や低栄養患者ではGFRが低下していても血清クレアチニン値が低めに出ることがあります。選びやすい理由:一見、体格と直接関係ないように思えるかもしれませんが、筋肉の代謝産物であることを理解していれば正答できます。混同注意:腎臓の濾過機能のみを反映すると誤解しやすいですが、クレアチニンの『産生源』が筋肉である点を理解しておく必要があります。
- 3. 蛋白尿の評価には、随時尿だけでなく、より正確な評価のため24時間蓄尿による定量や、早朝尿を用いた尿中アルブミン/クレアチニン比などが用いられます。随時尿のみでは日内変動があるため、確実な評価とは言えません。正しくは:尿中のタンパク質評価には、随時尿だけでなく、24時間蓄尿や早朝尿を用いた尿中アルブミン/クレアチニン比も使用される。選びやすい理由:随時尿が最も簡便な検査であるため、主要な評価方法であると誤解しやすいです。混同注意:他の検査方法の存在を知らない場合や、随時尿がスクリーニング検査として使われることから、それだけで十分と誤解することもあります。
- 4. 慢性腎臓病患者における適切なレジスタンストレーニングは、サルコペニア予防や身体機能改善のために推奨されることが多く、禁忌ではありません。ただし、病状や合併症に応じて適切な指導と管理が必要です。正しくは:筋力向上を目的としたレジスタンストレーニングは、適切に行えば推奨されることがある。選びやすい理由:腎臓病患者は運動制限があるという一般的なイメージから、レジスタンストレーニングも禁忌だと考えやすいです。混同注意:激しい運動や無理な運動が制限される場合と、適切な運動療法が推奨される場合とを混同しやすいです。
- 5. 慢性腎臓病の病期分類において、eGFRはG1からG5までの5段階に分類されます。これはKDOQIや日本腎臓学会のCKD診療ガイドラインで標準とされている分類です。正しくは:推算糸球体濾過量(eGFR)は、腎臓病の進行度に応じて5段階に分類される。選びやすい理由:病期分類の段階数を正確に覚えていない場合、適当な数字を選んでしまう可能性があります。混同注意:糖尿病性腎症の病期分類(5期)や、他の疾患の重症度分類と混同しやすいです。
国試ポイント
慢性腎臓病に関する基本的な知識、特に検査値の意味や病態生理、治療・管理の原則が問われています。各選択肢は、CKDの疫学、検査、運動療法、病期分類といった多岐にわたる側面から構成されており、総合的な理解が求められます。
混同注意
各検査値の意義や、運動療法に関する一般的な誤解、病期分類の具体的な数値など、あいまいな知識が誤答につながりやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後、慢性腎臓病に関する問題が出題された場合、eGFRの計算式、各ステージの具体的なeGFR値、蛋白尿の基準値、CKDの合併症とその対策、腎臓リハビリテーションの適応と禁忌といった、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
慢性腎臓病の定義、ステージ分類(Gステージ、Aステージ)、主要な検査項目(血清クレアチニン、eGFR、尿蛋白、尿アルブミン)、治療の原則(生活指導、薬物療法)、合併症(貧血、骨・ミネラル代謝異常、心血管疾患)など。