関節と生じやすい脱臼の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
肘関節脱臼は、そのほとんど(90%以上)が上腕骨に対して尺骨と橈骨が後方に転位する後方脱臼です。一方、胸鎖関節、肩関節、股関節では前方脱臼が圧倒的に多く、足関節の純粋な脱臼は稀であり、発生方向も前方脱臼は一般的ではありません。したがって、肘関節の後方脱臼が最も適切な組み合わせとなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 胸鎖関節の脱臼は前方脱臼が圧倒的に多く、後方脱臼は稀です。後方脱臼は縦隔内臓器損傷のリスクがあるため重篤ですが、発生頻度は低いです。正しくは:胸鎖関節の前方脱臼選びやすい理由:胸鎖関節は脱臼する関節の一つであるため、方向性を意識しないと正解として選びやすいです。混同注意:胸鎖関節は肩甲帯と体幹をつなぐ重要な関節ですが、脱臼方向の頻度の知識と、後方脱臼の重篤性を混同しやすいです。
- 2. 肩関節脱臼の約95%は前方脱臼であり、後方脱臼は非常に稀です。後方脱臼は痙攣や電撃損傷などで見られることがあります。正しくは:肩関節の前方脱臼選びやすい理由:肩関節は人体で最も脱臼しやすい関節の一つであるため、脱臼という点では正しい印象を受けやすいです。混同注意:肩関節が脱臼しやすいという一般的な知識と、その方向性の頻度を混同しやすいです。
- 3. 正解。肘関節の脱臼は、そのほとんど(約90%以上)が、上腕骨に対し尺骨と橈骨が後方に転位する後方脱臼です。転落やスポーツ外傷などで発生しやすいです。
- 4. 股関節脱臼の約90%は後方脱臼であり、前方脱臼は比較的稀です。後方脱臼は交通事故などで膝がダッシュボードに衝突する際に発生しやすいです。正しくは:股関節の後方脱臼選びやすい理由:股関節も大関節であり、脱臼が生じうることは認識されているため、方向を深く考えなければ選択肢として魅力的です。混同注意:股関節脱臼の発生頻度と、前方脱臼と後方脱臼の発生メカニズムを混同しやすいです。
- 5. 足関節の純粋な脱臼は稀であり、ほとんどの場合、骨折を伴います。脱臼が生じる場合でも、後方脱臼や外側脱臼が多いとされ、純粋な前方脱臼は非常に稀です。正しくは:足関節の脱臼は、単独では稀であり、骨折を伴うことが多い。発生方向としては後方や外側が多い。選びやすい理由:足関節は捻挫などの外傷が多い部位であり、脱臼も起こり得るというイメージから、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:足関節捻挫や骨折などの他の足部外傷と、純粋な足関節脱臼の違い。足関節の安定性が高いこと。
国試ポイント
主要な関節(胸鎖関節、肩関節、肘関節、股関節、足関節など)において、最も発生頻度が高い脱臼の方向性(前方、後方など)を正確に理解しているかが問われています。特に、各関節での脱臼の"常識"とされる方向を把握していることが重要です。
混同注意
特定の関節の脱臼が起こるという知識と、その脱臼の"方向"の頻度を混同しやすい。また、脱臼以外の似たような外傷(例: 足関節捻挫と足関節脱臼)と混同することもあります。稀な脱臼と一般的な脱臼の区別が曖昧になることも注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後類似の問題が出た際には、まず各関節がどのような構造をしているか(安定性や可動域)、そしてどのような外力でどの方向へ脱臼しやすいか、一般的な発生頻度を意識して選択肢を評価するようにしましょう。特に、最も一般的な方向と、稀な方向の脱臼の区別が重要です。
関連知識
各関節の構造的安定性(靭帯、関節包、骨形態)が脱臼の方向性と頻度に大きく影響します。また、脱臼発生時の外力や姿勢(転倒、スポーツ外傷、交通事故など)が特定の方向への脱臼を引き起こしやすいことも関連知識として重要です。