右側の靴型装具の補正と効果の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
靴型装具における中足骨頭の免荷は、中足骨頭部の疼痛や潰瘍がある場合に、アライメントの修正や圧力の分散を図ることで、疼痛の軽減と病変の悪化防止に繋がります。例えば、中足骨頭痛やモートン病、糖尿病性神経障害による足底潰瘍などで重要となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 「①の前足部の回内防止」という選択肢は、一般的に靴型装具の前足部補正で回内を「防止」することは稀であり、むしろ回内を「誘導」して荷重を分散させることがあります。前足部の回内防止は、通常、後足部のアライメント修正や内側ウェッジなどで行われます。正しくは:前足部の誘導(例:母趾球への荷重誘導、外側ウェッジによる回内抑制)選びやすい理由:足部の回内はよくみられる問題であり、装具で補正するイメージが強いため。しかし、前足部の回内防止が直接的な効果として挙げられることは少ないです。混同注意:後足部の回内防止や、前足部の他のアライメント修正。
- 2. 「②の踏み返しの改善」は、ロッカーボトムなどの特定の靴型装具デザインによって得られる効果であり、一般的に「②」という記号だけでその補正内容が特定できないため、不適切です。踏み返しの改善は、底屈可動域制限や疼痛がある場合に行われます。正しくは:ロッカーボトムによる踏み返しの改善選びやすい理由:踏み返しは歩行において重要な要素であり、装具で改善する目的があることは正しい。しかし、具体的な「補正」の内容が不明確です。混同注意:足部の他の機能改善、一般的な装具の効果全般。
- 3. 「③の足部横アーチの支持性増強」は、中足骨パッドやトランスバースアーチサポートによって得られる効果ですが、「③」という記号だけでその補正内容が特定できないため、不適切です。また、横アーチの支持性増強は、開張足などに対する効果であり、中足骨骨頭免荷とは異なる目的です。正しくは:中足骨パッドによる足部横アーチの支持性増強選びやすい理由:足部アーチの支持は装具の重要な機能であり、横アーチもその一つであるため。混同注意:縦アーチの支持、中足骨骨頭の免荷と混同。
- 4. 正解。正答。中足骨骨頭の免荷は、中足骨頭部に加わる圧力を分散させたり、特定の骨頭への荷重を軽減したりするために行われる補正です。これは、中足骨頭痛やモートン病、または糖尿病性足潰瘍の予防・治療において非常に重要な効果です。靴型装具では、中足骨パッド(バー)を中足骨頭手前に配置することで実現されます。選びやすい理由:この選択肢は、中足骨骨頭への圧迫軽減という明確な目的と、それに対する装具の有効な補正の組み合わせであるため。混同注意:他の足部への免荷、またはアーチサポートなどの他の補正と混同しない。
- 5. 「⑤の接踵時の衝撃吸収」は、踵部のクッション材や衝撃吸収材によって得られる効果ですが、「⑤」という記号だけでその補正内容が特定できないため、不適切です。接踵時の衝撃吸収は、踵骨棘やアキレス腱炎、または関節炎などによる疼痛緩和を目的とします。正しくは:踵部クッションによる接踵時の衝撃吸収選びやすい理由:衝撃吸収は装具の重要な機能の一つであり、接踵時に衝撃が加わるのは事実であるため。混同注意:他の歩行周期における衝撃吸収、または他の踵部補正と混同。
国試ポイント
靴型装具の各構成要素が足部に与える影響と、それによって得られる効果を正確に理解し、症状や疾患に応じて適切な装具を選択できること。
混同注意
各装具の構成要素がもたらす効果が多岐にわたるため、一つの補正が複数の効果をもたらす可能性があり、その主たる効果を正確に捉えることが重要です。例えば、内側縦アーチサポートは扁平足の補正だけでなく、後足部の回内抑制にも寄与します。
次に同じ論点が出たら
装具の各部位がどの足部構造に対応し、どのような力学的効果を発揮するかを具体的にイメージし、問題で問われている「補正」と「効果」の因果関係が正しいかを確認して判断します。
関連知識
足部の生体力学(バイオメカニクス)、主な足部疾患(扁平足、ハイアーチ、外反母趾、糖尿病性足病変など)、それぞれの疾患に対する装具療法の適応と限界、装具の素材と加工方法。