継続的な持久力運動で低下するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
継続的な持久力運動は、体内のエネルギー代謝を改善し、特に血中中性脂肪の利用を促進することでその値を低下させます。これは、脂質代謝異常の改善や心血管疾患リスクの低減に寄与する重要な生理的適応です。他の選択肢はすべて、持久力運動によって増加または向上する項目であり、身体の有酸素能力の適応を示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。持久力運動は、エネルギー源として中性脂肪(特にVLDL中のトリグリセリド)の利用を促進し、血中の中性脂肪レベルを低下させる効果があります。これは、心血管疾患のリスク低減にも繋がります。選びやすい理由:一見すると、運動によって多くの要素が向上するイメージがあるため、低下するという選択肢に戸惑うかもしれませんが、中性脂肪の低下は健康に良い効果です。混同注意:血糖値やコレステロール値と混同することがあるかもしれません。それぞれ運動による影響が異なります。
- 2. 持久力運動は、筋肉への酸素供給能力を高めるために、筋内の毛細血管密度を増加させます。これにより、酸素や栄養素の運搬効率が向上します。正しくは:増加する選びやすい理由:筋肉への血流が増加するイメージから、一時的な変化と誤解するかもしれませんが、恒常的な適応として増加します。混同注意:急性期の血管拡張と、慢性的な適応としての血管新生を混同することがあります。
- 3. 持久力運動により、心肺機能が向上し、全身の酸素運搬・利用能力が高まるため、最大酸素摂取量は増加します。これは持久力能力の重要な指標です。正しくは:増加する選びやすい理由:運動強度が高まると一時的に低下すると錯覚するかもしれませんが、トレーニング効果としては増加します。混同注意:運動中の酸素消費量と、最大酸素摂取量(有酸素能力の指標)を混同することがあります。
- 4. 持久力運動は、骨格筋でのブドウ糖取り込みを促進し、インスリンの作用効率を高めるため、インスリン感受性を向上させます。これは2型糖尿病の予防・改善に有効です。正しくは:向上する(または増加する)選びやすい理由:インスリン抵抗性という言葉があるため、運動によってインスリン関連の機能が低下すると誤解するかもしれませんが、感受性は向上します。混同注意:インスリン抵抗性とインスリン感受性を混同することがあります。抵抗性が高いと感受性は低く、抵抗性が低いと感受性は高い関係です。
- 5. 持久力運動は、ATP産生能力を高めるために、骨格筋細胞内のミトコンドリアの数やサイズを増加させます。これにより、有酸素性エネルギー代謝能力が向上します。正しくは:増加する選びやすい理由:筋肥大とは異なる変化であるため、ミトコンドリアの量が増加することを見落としやすいかもしれません。混同注意:筋原線維の増加(筋肥大)と、ミトコンドリアなどの細胞内小器官の増加を混同することがあります。これらは異なる適応です。
国試ポイント
持久力運動による身体各器官への生理的適応に関する知識が問われています。特に、脂質代謝への影響、酸素運搬系、筋のエネルギー代謝に関する基本的な理解が求められます。単に「増えるか減るか」だけでなく、その生理的意義まで把握していると他の問題にも応用できます。
混同注意
インスリン感受性とインスリン抵抗性、および運動の種類(レジスタンス運動と持久力運動)による適応の違い。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、持久力運動だけでなく、筋力トレーニング(レジスタンス運動)による身体への影響、または特定の疾患(例:糖尿病、高血圧)における運動療法の効果について問われる可能性があります。また、運動強度や期間による変化の程度も考慮する必要があるかもしれません。
関連知識
運動処方、生活習慣病(特に糖尿病、脂質異常症)の改善メカニズム、運動生理学におけるトレーニング効果、VO2max、ATP-PC系、解糖系、有酸素系のエネルギー供給システム。