腱板断裂損傷の徒手検査で陽性となる可能性が最も高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ドロップアームテストは、腱板断裂、特に広範囲な棘上筋断裂を示唆する代表的な徒手検査であり、陽性となる可能性が最も高いです。患者は腕を90度外転位からゆっくりと下ろすことができず、途中で腕が「ドロップ」します。
選択肢ごとの解説
- 1. このテストは主に肩関節前方不安定症、特に反復性肩関節脱臼の評価に用いられます。腱板断裂とは直接的な関連性が低いです。正しくは:肩関節前方不安定症の評価に有効です。選びやすい理由:肩関節の痛みに関連するテストなので、腱板断裂を疑う際に選択肢として検討してしまうかもしれません。混同注意:腱板断裂と肩関節不安定症の病態生理学的違いが不明瞭な場合に混同しやすいです。
- 2. 正解。ドロップアームテストは、患者が腕を水平に保持できない、またはゆっくりと降ろすことができない場合に陽性となり、広範囲の腱板(特に棘上筋)断裂を示唆する可能性が非常に高いです。これは腱板断裂の代表的な徒手検査の一つです。選びやすい理由:このテストは腱板断裂の中でも特に重要な評価法であるため、他の選択肢との比較で正答を選びやすいでしょう。
- 3. モーリーテストは、主に上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の評価に用いられます。腱板断裂の診断には通常用いられません。正しくは:上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の評価に有効です。選びやすい理由:上肢の痛みに関連するテストとして、知識が曖昧だと選んでしまう可能性があります。混同注意:他の肩関節周囲炎や上肢の痛みを伴う疾患のテストと混同しやすいです。
- 4. トンプソンテストはアキレス腱断裂の評価に用いられる検査です。下肢の検査であり、肩の腱板断裂とは無関係です。正しくは:アキレス腱断裂の評価に有効です。選びやすい理由:「テスト」という言葉から、特定の部位を連想せず、知識が不確かな場合に誤って選択する可能性があります。混同注意:身体部位とテストの関連性が整理されていないと、全く異なる部位のテストと混同しやすいです。
- 5. ヤーガソンテストは、上腕二頭筋長頭腱の不安定性や腱鞘炎の評価に用いられる検査です。腱板断裂、特に棘上筋や棘下筋の断裂とは直接的な関連性は低いです。ただし、腱板断裂と上腕二頭筋長頭腱の病変は合併することがあります。正しくは:上腕二頭筋長頭腱の不安定性や腱鞘炎の評価に有効です。選びやすい理由:肩関節周囲の検査であるため、腱板断裂と関連があるように見え、選択肢として魅力的です。上腕二頭筋腱病変が腱板断裂と合併することを知っていると、より選びやすくなるかもしれません。混同注意:上腕二頭筋長頭腱病変と腱板断裂の鑑別、または合併病変の理解が不十分な場合に混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、主要な関節の代表的な徒手検査とその適応疾患を正確に理解しているかを問うものです。特に肩関節の腱板断裂における診断的検査の知識が重要となります。
混同注意
腱板断裂の徒手検査には他にも数多く存在しますが(例:棘上筋テスト、棘下筋テスト、Lift-off testなど)、その中でも最も代表的で診断的価値の高いものを選ぶ必要があります。また、肩関節不安定症や上腕二頭筋腱病変など、他の肩関節疾患のテストと混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の腱板の徒手検査(例:棘上筋、棘下筋、肩甲下筋の個別のテスト)や、肩関節の他の疾患(例:肩関節不安定症、上腕二頭筋腱炎、五十肩など)の代表的な徒手検査について問われる可能性が高いです。また、陽性所見が具体的にどのような状態を示すのか、そのメカニズムまで理解しておくことが求められます。
関連知識
腱板断裂の他の徒手検査として、空の缶テスト(棘上筋テスト)、外旋抵抗テスト(棘下筋テスト)、Gerberのリフトオフテスト(肩甲下筋断裂)、Speed's test(上腕二頭筋長頭腱炎)などが挙げられます。それぞれのテストがどの筋群や構造の異常を評価しているかを理解することが重要です。