栄養状態の評価として有用性が低いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
血小板数は血液凝固や炎症反応に関連する指標であり、直接的な栄養状態の評価指標としては使用されません。一方、下腿周囲径、体重減少率、BMI、血清アルブミン値は、それぞれ筋肉量、体重変化、全体的な体格、タンパク質栄養状態を反映し、栄養状態の評価に広く用いられる指標です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。血小板数は主に凝固系や炎症反応に関連する指標であり、一般的な栄養状態の評価指標としては直接的な有用性が低いとされています。貧血の指標としては用いられますが、栄養失調そのものを直接的に反映するものではありません。選びやすい理由:血液検査項目であるため、何らかの異常を反映しているように見えるが、栄養状態との直接的な関連は薄い。混同注意:他の血液検査項目(血清アルブミンなど)が栄養評価に用いられるため、同様に栄養評価に使えるのではないかと誤解されやすい。
- 2. 下腿周囲径は、高齢者などの低栄養スクリーニングにおいて、サルコペニアや筋肉量減少の簡便な指標として有用です。特に臥床期間が長く体重測定が困難な場合に、体幹部や四肢の筋肉量減少を反映すると考えられています。正しくは:下腿周囲径は、低栄養状態、特に筋肉量の減少やサルコペニアの評価に有用です。選びやすい理由:簡易的な測定であるため、有用性が低いと感じるかもしれないが、高齢者など特定の状況下では重要な指標となる。
- 3. 体重減少率は、短期間での栄養状態の変化や疾病の進行、低栄養のリスクを評価する上で非常に重要な指標です。意図しない体重減少は、消化器疾患や悪性腫瘍、摂食不良など、様々な原因による低栄養を示唆します。正しくは:体重減少率は、低栄養のリスクや病態の進行を評価する上で非常に有用です。選びやすい理由:体重の増減は日常的であり、重要視しないかもしれないが、意図しない急速な体重減少は栄養状態悪化の明確なサインである。
- 4. BMIは、体重と身長から算出される国際的に広く用いられている肥満度判定の指標ですが、低栄養の評価にも使用されます。特にBMIが18.5kg/m²未満は低体重とされ、低栄養状態のリスクが高いことを示します。正しくは:BMIは、低体重(低栄養)や肥満のスクリーニングに広く用いられる有用な指標です。選びやすい理由:BMIは肥満の指標というイメージが強いため、低栄養の評価に有用ではないと誤解しやすい。
- 5. 血清アルブミン値は、血中のタンパク質の代表であり、長期的な栄養状態、特にタンパク質栄養状態を評価する上で重要な指標です。低値は慢性的なタンパク質エネルギー低栄養を示唆します。正しくは:血清アルブミン値は、慢性的なタンパク質栄養状態を評価する上で非常に有用な指標です。選びやすい理由:炎症や肝機能障害など、栄養状態以外の要因でも変動するため、単独では判断しにくいが、それでも重要な栄養指標である。
国試ポイント
栄養状態の評価指標に関する基本的な知識が問われています。特に、客観的な身体計測値(BMI、周囲径、体重変化)と血液生化学検査(アルブミンなど)の中から、栄養状態と直接関連の薄い項目を見抜く能力が求められます。一般的な疾患の病態生理と検査値の関連性を理解しているかが重要です。
混同注意
血液検査項目は全て栄養状態と関連があると思い込みやすい。特に、貧血と栄養状態の関連性から、血小板数も何らかの栄養指標と誤解する可能性がある。しかし、貧血の指標はヘモグロビンや赤血球数であり、血小板は異なる。
次に同じ論点が出たら
栄養評価の身体計測指標と血液検査指標をそれぞれ複数挙げ、それぞれの評価ポイントと限界を説明できるか。特に急性期と慢性期の栄養状態を反映する指標の違いを理解しているか。
関連知識
栄養スクリーニングツール(NRS-2002、MNA-SFなど)、他の栄養評価指標(プレアルブミン、トランスフェリン、総リンパ球数など)、サルコペニアの診断基準、低栄養の診断基準(GLIM基準など)。