筋量減少が診断基準に含まれるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
サルコペニアは、加齢に伴う筋肉量および筋力の減少を特徴とする症候群であり、その診断基準には筋肉量の減少が明確に定義され含まれています。国際的なコンセンサスでは、筋肉量の減少がサルコペニア診断の必須項目となっています。
選択肢ごとの解説
- 1. フレイルは、身体的・精神的・社会的な脆弱性の状態を指す包括的な概念であり、筋量減少は要素の一つではありますが、診断基準の中心ではありません。正しくは:フレイルは筋力低下や活動量減少など複数の基準から総合的に判断されますが、筋肉量減少のみが診断基準に含まれるわけではありません。選びやすい理由:フレイルとサルコペニアは密接に関連しているため、混同しやすいです。混同注意:サルコペニア、ロコモティブシンドローム
- 2. 正解。サルコペニアは、加齢に伴う筋肉量と筋力の進行性の減少を特徴とする症候群です。その診断基準には、筋肉量の減少が必須項目として含まれています。
- 3. ポストポリオ症候群は、ポリオ罹患後に遅れて出現する神経筋症状の悪化を指し、筋力低下は見られますが、筋肉量減少が直接的な診断基準として含まれるわけではありません。正しくは:ポストポリオ症候群の診断は、過去のポリオ罹患歴と新規に発生または進行する神経筋症状に基づきます。選びやすい理由:筋力低下があるため、筋量減少と関連付けやすいかもしれませんが、診断基準とは異なります。混同注意:単なる加齢による筋力低下
- 4. メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上を合併した状態を指し、筋肉量の減少は診断基準に含まれません。正しくは:メタボリックシンドロームの診断は、腹囲、血糖値、血圧、脂質値に基づきます。選びやすい理由:高齢者の病態として認識されているため、他の選択肢と並んで出てきたときに迷うかもしれません。混同注意:肥満、糖尿病
- 5. ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、運動器の障害により移動機能が低下し、要介護状態になるリスクが高い状態を指します。筋力低下やバランス能力の低下は含まれますが、筋肉量減少そのものが診断基準の必須項目ではありません。正しくは:ロコモティブシンドロームは、運動器の機能低下の有無を評価するものであり、具体的には立ち上がりテストや歩行速度などで判断されます。選びやすい理由:筋力低下はロコモティブシンドロームの重要な要素であり、筋力低下と筋量減少が密接に関連するため、誤解しやすいです。混同注意:サルコペニア、フレイル
国試ポイント
この問題は、高齢者の健康問題として重要なサルコペニア、フレイル、ロコモティブシンドロームといった概念とその診断基準の区別を問うものです。特に、各症候群の定義に含まれる具体的な要素を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
フレイル、ロコモティブシンドロームはサルコペニアと相互に関連が深く、それぞれの概念の範囲と診断基準が混同されやすいです。フレイルはより広範な脆弱性、ロコモは運動器機能の低下に着目しており、サルコペニアは特に筋量・筋力の低下に特化した概念です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各症候群(フレイル、サルコペニア、ロコモ)の具体的な診断基準(カットオフ値を含む)、特に共通点と相違点、そして相互の関連性について詳細に問われる可能性があります。また、それぞれの予防や介入方法についても理解しておく必要があります。
関連知識
サルコペニアの診断基準には、EWGSOP(欧州高齢者サルコペニアワーキンググループ)やAWGS(アジア作業部会)の基準などがあり、いずれも筋肉量減少を主要な診断項目としています。二次性サルコペニア(疾患関連、活動関連、栄養関連)やサルコペニア肥満といった概念も関連知識として重要です。