関節可動域が正常な患者に対し、Danielsらの徒手筋力テストの段階5の検査で、軽度屈曲位で抵抗を加えるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
肘関節伸展のMMTでは、上腕三頭筋の効率的な収縮を促し、肘関節が完全に伸展位でロックされるのを防ぐため、肘関節を約10〜20度の軽度屈曲位に保った状態で抵抗を加えます。これにより、上腕三頭筋の純粋な筋力を評価することが可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肩関節伸展のMMTは、検者が抵抗を加える際、肩関節は解剖学的肢位(0度)で固定されます。軽度屈曲位で抵抗を加えることはありません。正しくは:肩関節伸展のMMTでは、原則として肩関節は解剖学的肢位(0度)で抵抗を加える。選びやすい理由:上肢の運動であるため、他の選択肢と混同しやすいが、肘関節伸展とは異なる肢位がとられる。混同注意:他の関節の軽度屈曲位での抵抗に関するMMTの知識と混同しやすい。
- 2. 正解。肘関節伸展のMMTでは、上腕三頭筋が効率よく作用するように、肘関節を約10〜20度軽度屈曲位に保ち、その状態で抵抗を加えます。これにより、肘関節のロックを防ぎ、上腕三頭筋の収縮をより正確に評価できます。選びやすい理由:軽度屈曲位で抵抗を加える特殊な肢位のため、注意が必要。混同注意:他の関節のMMT評価肢位、特に軽度屈曲位を取らない関節と混同しやすい。
- 3. 手関節伸展のMMTは、原則として手関節を中間位または背屈位(伸展位)から抵抗を加えます。軽度屈曲位で抵抗を加えることはありません。正しくは:手関節伸展のMMTでは、手関節を中間位または軽度背屈位から抵抗を加える。選びやすい理由:上肢の運動であるため、他の選択肢と混同しやすい。混同注意:手関節屈曲・伸展のMMTにおける適切な肢位と混同しやすい。
- 4. 股関節伸展のMMTでは、原則として股関節を伸展位(または中間位)から抵抗を加えます。軽度屈曲位で抵抗を加えることはありません。正しくは:股関節伸展のMMTでは、原則として股関節を伸展位から抵抗を加える。選びやすい理由:下肢の主要な関節運動であり、MMTの評価対象として頻繁に出るため、他の関節の特殊な肢位と混同しやすい。混同注意:股関節の他の運動(屈曲など)のMMT評価肢位と混同しやすい。
- 5. 頸部複合関節伸展のMMTでは、原則として頸部を中間位(0度)または軽度伸展位から抵抗を加えます。軽度屈曲位で抵抗を加えることはありません。正しくは:頸部複合関節伸展のMMTでは、原則として頸部を中間位または軽度伸展位から抵抗を加える。選びやすい理由:体幹の運動であり、MMTの評価対象として出題されやすいが、頸部の特殊性から肢位を間違えやすい。混同注意:頸部の屈曲運動のMMT評価肢位と混同しやすい。
国試ポイント
徒手筋力テスト(MMT)における各関節の特定の運動における、検者が抵抗を加える際の適切な肢位(関節角度)を問う問題です。特に、軽度屈曲位で抵抗を加える特殊な肢位を知っているかどうかがポイントになります。解剖学的肢位から逸脱した、より機能的な評価肢位や、筋の活動を最適化するための肢位が問われることがあります。
混同注意
MMTにおける「軽度屈曲位」は、肘関節伸展以外にも、膝関節伸展(大腿四頭筋の評価)など、特定の筋群をより効果的に評価するために用いられることがあります。これらの特殊な肢位と、一般的に解剖学的肢位に近い状態で行われる他の関節のMMT評価肢位とを混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の主要な関節運動(例:膝関節伸展、股関節外転、肩関節外転など)におけるMMTの評価肢位、特に「軽度屈曲位」「中間位」「最大伸展位」など、特定の角度での抵抗の有無やその理由が問われる可能性があります。また、重力の影響を排除したグレード(2以下)の評価肢位も合わせて確認しておくと良いでしょう。
関連知識
MMTは、筋力評価の基本的な検査法であり、各関節運動の評価肢位、抵抗方向、検者の固定手と抵抗手の位置、グレード判定基準などを正確に理解している必要があります。特に、筋の解剖学的走行や作用を考慮した評価肢位の選択は重要です。DanielsらのMMTでは、重力の影響を考慮した体位や、特定の筋群を独立して評価するためのポジショニングが重視されます。