神経性無食欲症で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
神経性食欲不振症は、精神疾患の一種であり、体重減少や低体重に対する恐怖、自己の体型や体重に対する歪んだ認識(ボディイメージの歪み)が中核的な症状です。そのため、自身の状態を病気として認識しにくい(病識に乏しい)ことが多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 神経性食欲不振症では、低栄養状態、エストロゲンレベルの低下、コルチゾールレベルの上昇などにより、骨密度はむしろ低下し、骨粗鬆症のリスクが高まります。正しくは:骨密度は低下する。選びやすい理由:一般的な健康状態と逆の反応を示すため、誤って選択しがちです。混同注意:健康な人の骨密度増加要因(運動、カルシウム摂取など)と混同することがあります。
- 2. 神経性食欲不振症は、食事摂取量の極端な制限が主な問題であり、消化管の吸収不全を本質的な特徴とするものではありません。ただし、極度の飢餓状態が続けば、二次的に消化機能が低下することはあり得ます。正しくは:消化管の栄養吸収機能は通常保たれていることが多い。選びやすい理由:栄養状態が悪いことから、消化吸収機能も低下していると類推してしまうことがあります。混同注意:クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患における消化吸収不全と混同することがあります。
- 3. 正解。神経性食欲不振症の患者は、体重減少や低体重を病的なものと認識せず、むしろ目標として維持しようとすることが多いため、病識に乏しいのが特徴です。選びやすい理由:健康状態の悪化が見られるため、病識があると考えるかもしれませんが、精神疾患の特性として病識の欠如がよく見られます。混同注意:身体的な症状が顕著であるため、身体疾患のように病識があるものと誤解することがあります。
- 4. 神経性食欲不振症の患者は、食べること自体を恐れる一方で、食べ物や料理に対する過剰な関心を示すことが多いです。例えば、他人の食事の準備をしたり、料理番組を好んで見たりすることがあります。正しくは:食べ物への関心はむしろ高まることが多い。選びやすい理由:食欲がない、食事をしないことから、食べ物への関心も低いと考えてしまうことがあります。混同注意:うつ病などによる食欲不振や関心の低下と混同することがあります。
- 5. 正解。神経性食欲不振症の主要な診断基準の一つに、自身の体重や体型に対する歪んだ認識があります。たとえ著しく痩せていても、自分は太っていると感じ、さらに体重を減らそうとします。選びやすい理由:身体的な見た目と自己認識の乖離が分かりにくいため、この特徴を見過ごしてしまうことがあります。混同注意:単なる痩せ願望と、精神疾患としてのボディイメージの歪みを区別できないことがあります。
国試ポイント
神経性食欲不振症の病態生理や精神的な特徴、身体合併症について正確な知識が問われます。特に、病識の欠如やボディイメージの歪みといった精神科領域の診断基準となる特徴と、低栄養に伴う身体症状(骨密度低下など)を区別して理解しているかが重要です。
混同注意
単なるダイエットや摂食障害と、神経性食欲不振症という精神疾患を混同しやすい。特に「食欲がない」「食べない」といった直接的な行動だけでなく、その背景にある精神的なメカニズム(ボディイメージの歪み、病識の欠如)を理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後、神経性食欲不振症の問題が出題された場合、診断基準(DSM-5など)に基づく中核症状(著しい低体重、体重増加への恐怖、ボディイメージの歪み)や、身体合併症、治療法についても確認するべきでしょう。
関連知識
神経性食欲不振症の身体合併症:無月経、徐脈、低血圧、低血糖、電解質異常(特に低K血症)、肝機能障害、腎機能障害、骨粗鬆症。治療には、精神療法(認知行動療法、家族療法)、薬物療法(抗うつ薬など)、栄養療法が用いられます。