パニック障害の薬物療法で用いられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
パニック障害の薬物療法では、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗うつ薬が第一選択薬として広く用いられます。これらはパニック発作の抑制や予期不安の軽減に効果を発揮します。ベンゾジアゼピン系抗不安薬も即効性があるため、初期の症状緩和に併用されることがありますが、依存性があるため長期使用は推奨されません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。パニック障害の薬物療法では、SSRIなどの抗うつ薬が第一選択薬として広く用いられます。これらはセロトニン系の神経伝達を調整し、不安症状やパニック発作の頻度・重症度を軽減する効果があります。
- 2. 抗精神病薬は主に統合失調症や躁病、重度のうつ病における精神病症状(幻覚・妄想など)の治療に用いられ、パニック障害の第一選択薬ではありません。正しくは:パニック障害の薬物療法には、主に抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。選びやすい理由:精神疾患全般の薬という漠然としたイメージで選んでしまうかもしれませんが、パニック障害には直接的ではありません。混同注意:抗うつ薬や抗不安薬と混同しやすいですが、作用機序や対象疾患が異なります。
- 3. 気分安定薬は主に双極性障害(躁うつ病)の躁状態やうつ状態の再発予防、気分の波を安定させるために使用され、パニック障害の主な治療薬ではありません。正しくは:パニック障害の薬物療法には、主に抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。選びやすい理由:精神科の薬物療法という点で、選択肢としてあり得るように感じてしまうかもしれません。混同注意:抗うつ薬と混同しやすいですが、気分安定薬は気分の『波』を抑える薬であり、パニック障害の『不安』に対する作用は限定的です。
- 4. 抗てんかん薬はてんかん発作の抑制が主な目的であり、一部の薬が神経障害性疼痛や気分安定薬として使用されることもありますが、パニック障害の主要な治療薬ではありません。正しくは:パニック障害の薬物療法には、主に抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。選びやすい理由:脳の神経系の疾患という点で、関連があるように思えるかもしれませんが、直接の治療薬ではありません。混同注意:脳の機能に作用する点では共通しますが、作用機序や対象疾患は異なります。
- 5. 中枢神経刺激薬は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)やナルコレプシーなどの治療に用いられ、中枢神経系を活性化させます。パニック障害の症状を悪化させる可能性があるため、治療薬としては不適切です。正しくは:パニック障害の薬物療法には、主に抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。選びやすい理由:神経系の薬物として誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:精神疾患に対する薬という点で混同しやすいですが、パニック障害はむしろ不安や過覚醒状態にあるため、刺激薬は症状を悪化させる可能性があります。
国試ポイント
精神疾患における主要な薬物療法の種類と、それぞれの疾患との対応関係を理解しているかが問われています。特に、第一選択薬について正確な知識が求められます。
混同注意
精神科領域の薬物療法には多くの種類があり、それぞれの薬がどの疾患に、どのような目的で用いられるのかを正確に理解していないと、混同しやすいです。特に抗うつ薬、抗精神病薬、気分安定薬、抗不安薬の区別は重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、パニック障害以外の精神疾患(うつ病、統合失調症、双極性障害など)の第一選択薬や、薬物療法の副作用、禁忌なども確認するべきです。また、薬物療法以外の治療法(精神療法、電気けいれん療法など)についても問われる可能性があります。
関連知識
パニック障害の治療には、薬物療法だけでなく、認知行動療法などの精神療法も非常に重要です。薬物療法と精神療法を組み合わせた治療が最も効果的とされています。また、ベンゾジアゼピン系抗不安薬の作用機序や副作用、SSRIの具体的な薬名(パロキセチン、セルトラリンなど)についても確認しておくと良いでしょう。