腎不全における透析療法について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
選択肢1は、日本の透析患者数は高齢化や生活習慣病の増加に伴い、年々増加しているという事実に基づいています。選択肢4は、糖尿病性腎症が透析導入の最大の原因疾患であるという統計的事実に基づいています。これら2つの選択肢が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。日本の透析患者数は高齢化や基礎疾患の増加に伴い、毎年増加し続けています。これは厚生労働省や日本透析医学会の統計データで確認できる事実です。
- 2. 日本では血液透析が透析治療の大部分を占めており、腹膜透析は少数です。正しくは:血液透析を受けている患者さんの割合の方が、腹膜透析よりも多数を占めます。選びやすい理由:透析の種類として血液透析と腹膜透析があるため、どちらが多いのか迷う可能性があります。混同注意:血液透析と腹膜透析の適応や利点・欠点を混同し、割合に関する知識があいまいになることがあります。
- 3. 日本の血液透析は、一般的に医療機関の診療時間に合わせて昼間に実施されることが多いです。夜間透析は患者のライフスタイルに合わせた選択肢ではありますが、全体的な割合としては昼間透析の方がはるかに多いです。正しくは:昼間に透析を行う患者さんの割合の方が、夜間に透析を行う患者さんよりも多いです。選びやすい理由:夜間透析はQOLを高める選択肢として注目されるため、その割合が多いと誤解する可能性があります。混同注意:透析の実施時間帯に関する統計的知識と、透析の種類(血液透析、腹膜透析)の知識を混同することがあります。
- 4. 正解。日本の透析導入原因疾患の統計では、長年にわたり糖尿病性腎症が第1位を占めています。高血圧性腎硬化症や慢性糸球体腎炎がそれに続きます。
- 5. 透析患者の主な死亡原因は、心血管疾患(心不全、脳血管疾患など)が最も多く、次いで感染症、悪性腫瘍などが挙げられます。肝不全は主要な死亡原因ではありません。正しくは:透析を受けている患者さんの主な死亡原因は、心血管疾患が最も多いとされています。選びやすい理由:腎臓以外の臓器不全も死亡原因となるため、臓器名を混同しやすいです。混同注意:透析患者の合併症と直接の死亡原因を混同する可能性があります。腎臓と関係の深い肝臓疾患を想起しやすいですが、統計的には心血管疾患が圧倒的です。
国試ポイント
本問題は、腎不全における透析療法に関する基本的な統計データや疫学知識が問われています。具体的には、透析患者数の推移、透析方法の内訳、透析導入の原因疾患、透析患者の死亡原因といった、透析医療の全体像を理解しているかが試されます。
混同注意
透析方法(血液透析と腹膜透析)の割合、透析時間帯(昼間と夜間)の割合、透析導入原因疾患の順位、および透析患者の死亡原因の順位を混同しやすいです。特に、日本の統計データと海外のデータ、あるいは一般的な疾患知識と透析患者特有の状況を区別して理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、日本透析医学会が毎年公表している「わが国の慢性透析療法の現状」などの最新の統計データに基づいた知識が問われるでしょう。特に、各項目の順位や増減傾向は常に更新されるため、最新情報を確認することが重要です。
関連知識
日本の慢性透析患者の現状、透析導入の原因疾患別割合、各透析方法のメリット・デメリット、透析患者の合併症と死亡原因(心血管疾患、感染症、悪性腫瘍など)、腎臓リハビリテーションの意義。