ADLで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ADLは、個人の基本的な日常生活能力を指しますが、その遂行度合いは個人の身体機能だけでなく、生活環境(物理的環境や社会的環境)によっても大きく影響されます。例えば、段差のある家では車椅子利用者のADLは困難になりやすい一方、バリアフリー環境であれば比較的容易になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ADLは個人の能力だけでなく、身体的環境(例:自宅の段差、手すりの有無など)や社会的環境(例:介護者の有無、利用できるサービスなど)によってもその達成度合いが大きく左右されるため、この記述は正しいです。
- 2. ADLはセルフケアに関わる基本的な動作を指し、IADLはそれよりも複雑で社会生活を送る上で必要な動作(例:買い物、電話、金銭管理など)を指します。ADLの方がより基本的な概念であり、IADLはADLの上に成り立つ、あるいは発展した概念とされています。したがって、IADLがADLの基礎となっているわけではありません。正しくは:ADLがIADLの基礎となっています、あるいは、ADLはIADLに先行する概念です。選びやすい理由:ADLとIADLは密接に関連する概念であるため、どちらかがもう一方の基礎であるという関係性に迷う可能性があります。混同注意:ADLとIADLの包含関係、概念の発展段階
- 3. ADLは生活機能の一部であり、生活機能は身体機能・構造、活動(ADLを含む)、参加、環境因子、個人因子といった要素を包括する、より広範な概念です。したがって、ADLが生活機能より包括的というのは誤りです。正しくは:ADLは生活機能の一部を構成する概念です。選びやすい理由:ADLが日常生活の多くの側面を指すため、その広がりから生活機能全体と混同しやすいかもしれません。混同注意:ICF(国際生活機能分類)における「生活機能」と「活動」の関係性
- 4. ADLの概念は、20世紀半ばにアメリカの学者によって提唱され、広く使われるようになりました。WHOがADLを直接的に定義したわけではありませんが、WHOの提唱するICF(国際生活機能分類)において「活動」の一部としてADLが位置づけられています。しかし、ADL自体がWHOによって2000年代初頭に定義されたという記述は不正確です。2001年にWHOが採択したのはICFです。正しくは:ADLの概念は20世紀半ばに確立され、WHOは2001年にICFを採択し、その中でADLに相当する「活動」を定義しました。選びやすい理由:2000年代初頭にICFが採択されたことを知っていると、ADLの定義も同時期に行われたと誤解しやすいです。混同注意:ICFの採択時期とADL概念の提唱時期、およびWHOとADLの直接的な関係性
- 5. Fugl-Meyer Assessment scale(FMA)は、主に脳卒中後の運動機能、感覚、バランス、関節可動域、および一部の機能(ADL)を評価するための尺度ですが、特に運動機能評価に特化しています。ADLの主要な評価尺度としては、Barthel Index(BI)やFunctional Independence Measure(FIM)などが広く用いられます。FMAはADL 'そのもの' を包括的に評価する主な尺度ではありません。正しくは:評価尺度としては、Barthel IndexやFIMなどがよく用いられます。選びやすい理由:FMAが脳卒中後のリハビリテーションで広く使われるため、ADL評価の主要な尺度の一つと誤解しやすいです。また、FMAの一部にADL項目が含まれることも混乱を招く可能性があります。混同注意:運動機能評価スケールとADL評価スケールの区別
国試ポイント
ADLの概念、IADLとの違い、ICFにおける位置づけ、および主要な評価尺度について正確な知識が問われています。特に、ADLが単なる個人の能力だけでなく、環境要因によって影響を受けるという多面的な理解が重要です。
混同注意
ADLとIADLの包含関係、生活機能(ICF)とADLの関係、各種評価尺度の対象範囲
次に同じ論点が出たら
今後ADLについて問われた際は、定義、ICFにおける位置づけ(活動)、環境要因との関連性、IADLとの区別、そして代表的な評価尺度(Barthel Index、FIM)に注目して検討しましょう。
関連知識
ICF(国際生活機能分類)の構成要素(心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子)、Barthel Index、FIM(Functional Independence Measure)、IADLの具体例(買い物、料理、金銭管理など)、環境因子の具体例(物理的環境、社会的環境、文化的環境)。